滋賀シルバーバーチ読書会
われわれが忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の摂理である。
(『シルバーバーチの教え』 スチュアリズム普及会)
死後世界観(他界観)
---幽界---
誰にでも必ず死が訪れます。
死の直後で重要なことは、死の自覚を持つことです。自分の死を自覚できなければ、幽界での生活に入っていくことはできません。
死を自覚すると、指導霊に導かれて、最初の霊的世界である幽界での生活に入っていきます。
死後の世界を幽界と霊界に分けていますが、幽界という独立した世界があるわけではありません。
幽界は、霊界の一部、霊界の中の最も低い世界、地上に一番近い霊界が幽界です。
人間は死後、すぐに霊界へ行くのではなく、一旦は幽界を経なければなりません。
つまり、幽界は霊界へ行くための準備をする、過渡的な死後の世界ということになります。
霊界へ行くための準備とは、地上的意識・地上臭を拭い去ることです。
物資的な意識を拭い去らなければ、霊界へ行くことはできません。
地上的意識・地上臭を拭い去ることを、霊的純化(霊的浄化とも言う)と言います。
幽界で霊的純化のプロセスを経ることで、霊界へ行く準備が整います。
この霊的純化が、幽界での目的となります。
幽界の説明に入る前に、従来の宗教の死後世界観とSBの死後世界観の違いについてみていきます。
これまで人間は、死後の世界をどのように考えてきたのでしょうか。
従来の宗教の死後世界観をみていきます。
一般的な死後世界観は、人間は死ぬと、天国か地獄のどちらかに行くようになるというものです。
キリスト教では、地獄はサタンによって支配されていると説いています。
人間は死後、神が支配する明るい世界の天国で暮らすようになるか、それともサタンや悪が支配する地獄に落ちて苦しむようになるか、そのいずれかであると説いています。
天国には、キリスト教の教義の忠実に従って、信仰をまっとうしたにキリスト教徒だけが、行くことができ、その他の背(はい)信者(しんしゃ)や異教徒や悪人はすべて地獄に落ちることになっています。
イスラム教でもこれと同じことを説いています。
こうした、死後の世界は天国か地獄という2つの世界がある、光り輝く世界と暗黒の世界の善と悪の2つの世界が対立しているという考え方を、二分的他界観と言います。
こうした伝統的な宗教の他界観に対し、神智学や人智学、新宗教(幸福の科学やGLA)などで説かれている多層的他界観があります。初期のスピリチュアリズム(マイヤースなど)もこの多層的他界観でした。これは、神智学の影響を受けていたのです。
その多層的他界観の内容は、死後の世界は地上世界を含めて、次元の異なる複数の階層からなる世界だとしています。神智学は死後6つの階層があるとしています。
こうした従来の宗教における二分的他界観や多層的他界観に対し、SBはまったく異なる死後世界観を明らかにしました。
シルバーバーチは、死後の世界は、1つであると説いています。
従来の宗教で言われてきたような天国と地獄の2つの世界があるわけではない、ということです。
死後の世界は、たった一つで、その一つの世界は無数の界層から構成されている、という画期的な死後世界観を明らかにしました。
死後の世界は、無数の界層から構成される一つの世界です。これを地上圏霊界といいます。
これが、唯一・真実の死後世界観・他界観です。
シルバーバーチは無数の界層間には境界線がないと言い、地理的・3次元的区分がなく、グラデーション的に霊的状態の異なる界層が連なっていると説いています。
1つの界層は、それより低い界層と融合してつながり、同時にそれより高い界層ともつながっています。
たった1つの霊界の中にすべての界層が重複して存在しています。
霊界には、次元の異なる無数の界層が重なり合って存在しているのです。
こうした画期的な死後世界観は、シルバーバーチによって初めて明らかにされました。
従来の宗教が説いている二分的他界観や、多層的他界観と比較することで、シルバーバーチの説く他界観の次元の高さ、卓越性がよくわかりました。
シルバーバーチによって明らかにされた死後の世界、その中でも死後最初に赴く幽界の様子は次の通りです。
①地上世界とそっくりな世界ーすべてが地上よりも美しい
②幽界には時間と空間の制約がないー瞬時に移動できる
③幽界では、霊体だけで生活するー肉体がないため、肉体の苦痛や病気・障害がなくなる
④幽界では飲食や睡眠をとる必要がないーお金を稼ぐ労働も必要ない
⑤願うことが何でもかなうー心で思うことがたちどころに形体化する、
⑥幽界では行きたい場所に自由に行ける
⑦幽界ではお互いの心がテレパシーで通じ合う
⑧心の中身が周りの人々に知られるようになっている
幽界に入ったばかりの人間にとって、そこはまさに理想郷、極楽浄土です。
そのため、大半の人間は、ずっとここにいたいと思うようになります。
(シルバーバーチの言葉)
「低級界、いわゆる幽界は、いろいろな点で地上とそっくりです。これは、新参者が新しい環境に慣れるようにとの神の配慮なのです。そうでないと、彼らが幽界に順応するのは、非常に難しくなります。
こちらにも庭があり、家があり、湖があり、海があります。それらは霊界の住人にとって、現実に存在する世界なのです。形体のない漠然とした世界ではありません。私たち霊界の住人には地上人のような肉体はありませんが、まぎれもなく人間なのです。」
シルバーバーチは、幽界は地上とそっくりな世界であると述べ、それは新参者が少しでも早く新しい環境に慣れるようにと神の配慮と、驚くべき事実を明らかにしています。
他界後の人間にとって、幽界は何でも願い通りになる天国のような世界ですが、その先に幽界の目的があります。幽界での欲望をかなえる生活を送る中で、本格的な霊的世界である霊界へ行く準備をしているのです。
<参考>
・スピリチュアリズムの思想体系Ⅰー4.幽界の様子・幽界での生活(スピリチュアリズム普及会)
・『シルバーバーチの霊訓』とはー 4『シルバーバーチの霊訓』の画期的な「死後世界観(他界観)」
※引用・リンクについてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。