スピリチュアリズムの思想体系(Ⅰ) <人生観-2>
人生観後半の内容は、シルバーバーチの説く人生観についてです。
前半では、大半の人の人生の実態と熱心な宗教者の人生観、そしてスピリチュアリズムの霊魂説に基づいた人生観をみてきました。
シルバーバーチ登場以前の人生観は地上人からみた人生観でしたが、シルバーバーチは霊界人からみた地上人生の本質と意義を私たち人類に示しました。
シルバーバーチの人生観のポイントは4つです。
地上人生は、一時的な仮の人生
地上人生は、霊界人生のための準備期間
地上人生で最も価値があるものは、霊的成長(霊的成長至上主義)
霊的成長を達成することが正しい地上人生
霊界人からみると、私たち人間にとって霊界での人生がメインであり、地上人生は永遠の人生の中のほんの一瞬です。霊界での人生に比べると、地上人生はごくわずかな期間、一時的な仮の人生に過ぎません。
霊界こそが私たち人間の本来の世界なのです。
しかし、一時的な仮の人生といっても地上人生には目的があります。
地上人生は霊界人生のための準備期間です。人間は短い地上人生を通して、霊的成長の基礎を築き、霊界での生活の準備をしていきます。地上世界は霊界人生のための“訓練場”なのです。
人間は、地上ならではの体験を通して、“基本的な霊的成長”を達成し、霊界での永遠の生活に備えることになります。
このように、地上人生の目的は霊的成長です。すべての人間は、霊的成長するために地上に誕生してきたのです。永遠の時間からすれば短い期間ですが、重要な地上人生なのです。
シルバーバーチは、地上人生も霊界人生も、すべてが霊的成長のためにあるということを明らかにしました。地上人生でどれだけ霊的成長することができるか、それが一番重要なことなのです。
霊界人の視点から眺めた時、
霊的成長をした人・・・価値ある人生を送ったということになります。
反対に、霊的成長をしなかった人・・・価値のない人生を送ったということになるのです。
もし、霊的成長しないまま地上人生を終えるとしたら、地上に生まれた意味がありません。
地上人生をすべて無駄にしたことになります。
欲しい物を手に入れ物質的欲望を満たし、好きなことをやり尽くした人生に満足していても、霊的成長せずに人生を終えたら、死後、霊界で地上人生の目的を知り、大変な後悔をすることになります。
価値ある人生とは、霊的成長を促す生き方のことです。
こうした霊的成長に最大の価値をおくことを霊的成長至上主義といいます。
霊的成長至上主義は、地上人生を支配する神の摂理であり、絶対的な価値基準です。
では、どうすれば霊的成長できるか。
シルバーバーチは大きく3つの実践内容をあげています。
1.霊主肉従の努力です。これは、霊を優位にするための努力です。
2.利他愛の実践です。
3.苦しみの甘受です。
1.霊主肉従の努力
人間が霊的成長するためには、霊主肉従の状態をつくることが必要です。
霊が優位になると、心が利他性に支配されるようになります。
利他性は神が創った摂理です。人間は、利他性の摂理に一致することで霊的成長が促されるようになります。
霊主肉従の努力は、霊的成長の前提条件なのです。
2.利他愛の実践
人間は、生活の中で一つ目の実践内容の霊主肉従の状態を維持し、利他愛を実践することで、神の摂理に一致し、霊的成長できるようになります。
3.苦しみの甘受
人間が神の摂理から逸脱した生き方をすると、苦しみが生じるようになります。
その苦しみをそれまでの摂理違反に対するシグナルとして受け止め、間違った生き方を正していくことが必要です。それが、苦しみの甘受ということです。
人間は苦しみを甘受し、前向きに対処していくことで霊的成長の道に戻ることができるのです。
日常生活の中でのこうした実践(摂理に適った生き方)を通して、霊的成長を達成する正しい地上人生を送ることができるようになります。
<参考>
※引用・リンクについてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。
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