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スピリチュアリズムの思想体系(Ⅰ)  <死生観-1>


 すべての人間がいつか必ず経験することは、「死」です。

医療により死を少し先延ばしにすることができたとしても、死から逃れることはできません。

人間にとって、死は宿命なのです。

 

 必ず体験することになる「死」について、多くの人は日常生活の中で考えることはほとんどありません。いずれ自分も死ぬとわかっていても、目の前のことや今日明日のことを考えることの方が大切だと思い、「死」は自分にはまだ無関係と思っているのです。

「死」について考えることを、現実逃避だと言う人もいます。

 しかし、「死」についての正しい知識を持つことは、実は生きる目的を知ることになるです。

人生で何が一番大切なのか、いかに生きるべきか、といったことがわかるようになります。

正しい死生観を持つことは、価値ある人生を送るために必要なことなのです。

 「死」は突然目の前にやってきます。

医師から余命を告知された瞬間、沸き起こってくるものがあります。それは、恐怖です。

今まで漠然としたイメージしか持たなかった「死」を突きつけられて、不安と恐怖を抱くようになります。それだけでなく、死は最大の悲劇であり不幸であり悲しみであると思うのです。

そうした死の恐怖から逃れるために、人々は宗教にすがってきました。

宗教は、死の恐怖に対する救済手段として存在してきたのです。

 しかし、宗教の教えを守りを懸命に信仰しても、死の不安から完全に解放されることはありません。

多くの宗教は、生前の行い(教えを守るか教えに背くか)によって、天国・極楽浄土に行くか地獄に行くかが決まると教えてきました。どんなに信仰していても、「もし地獄に行くことになったらどうしようと・・・」不安になるのです。

 宗教が人類を死の恐怖から救うことができなかったのは、宗教自体が霊的無知だったからです。

それぞれの宗教が独自の死生観を説いてきましたが、真実の死生観はこれまで地上世界に存在しませんでした。多くの情報や知識を手にする現代人にとって、宗教の説く死生観に説得力がありません。

 こうして、死の恐怖に対する救済手段を失った現代人は、死の恐怖から逃れられずにいます。

 19世紀半ばに登場したスピリチュアリズムによって、私たち人類は新たな死生観を手に入れました。

科学万能主義の時代に、宗教という形式ではなく、霊的事実に基づいた新しい霊的思想として、死の問題に対しスピリチュアリズムが回答を示しました。

 霊界側はさまざまな心霊現象を演出し人々の関心を集め、それを地上の当時一流の科学者たちに研究させました。そうして、霊魂説の正当性を証明したうえで、霊界通信を通して霊的真理・霊的知識を地上にもたらしました。

これまでの宗教の死生観は信じるか信じないかという信仰の問題でしたが、スピリチュアリズムの死生観は客観的事実として私たちに示しました。

宗教の数と同じだけ死生観がありましたが、統一された見解はありませんでした。スピリチュアリズムによって人間にとって唯一共通の死生観が確立したのです。

<参考>​

 

  ※引用・リンクについてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。

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