死 生 観
死は誰もがいつかは迎えます。裕福な人も貧しい人も、人の役に立つ生き方をした人も自分の事だけしか興味がなかった人も罪を犯した人も、すべての人間が死を迎えます。
『死の前ではすべての人間は平等』です。
しかし、多くの人は《死》を人間のゴール・終着点だと思っています。
《死》は終わりではなく、新しい生活の始まりなのです。
今までの宗教の説く死生観とスピリチュアリズムがもたらした死生観、そしてシルバーバーチが説いた死生観の違いを見ていきます。
死 生 観
地上のすべての生命体は死を迎えるようになっています。神がそう創られました。
私たち人間の本来の住処は霊界であり、地上でしか体験できないことを通して成長するために物質世界(地上世界)があります。
人間にとって、死とは霊界へ帰ることです。
《死とは》
・人間にとって最大のテーマ
・避けられない宿命 (誰もが迎える死)
・死は悲劇、不幸、悲しみ、恐怖 (霊的無知から発生する感情)
・宗教は死の恐怖に対する救済手段 (太古から宗教が存在する理由の一つ)
⇩
『死とは何か』に対する明確な回答は宗教にも哲学にもない
《死に対するさまざまな考え方》
⑴唯物論的な考え方……「人間は死によって無に帰す」
死後の生命や死後の世界など存在しない。霊魂や死後の世界は宗教が作り
出した子どもだましと思っている。
(しかし、唯物論者であっても自分の死に直面すると不安と恐怖を感じる。日頃神や死後を信じ
ていなくても死を前にすると神にすがるようになる。そして、家族や愛する人の死は悲劇であ
り不幸であると思う。)
⑵宗教の一般的な考え方……死後も人間は霊魂として存在する。死後の世界があり、生前の生き方
や信仰の有無によって天国か地獄かが決められる。
(死後の世界は二つしかありません。天国に行けない人はすべて地獄。また、信仰の有無は天国
へ行けるための重要な要素となっていて、無条件に信じるしかない。)
《宗教の説く死の問題点》
⑴熱心な宗教者は、自分は天国に行けるかどうか、地獄に行くことにならないかが心配になる
(自分の死後の行く先に対する恐れがつきまとう)
これが、宗教への盲信・狂信につながる (信じることで救われるならと、無条件に信じる、
一度信じてしまうと教義や教えに疑問をいだいても疑問を持つことが教えに背くことであり地獄
へいくのではという恐怖で否定できない心理状態になる)
⑵従来の宗教の説く教えは、現代人には説得力がない
科学万能主義の今の時代では、理性を納得させられない
⑶最大の問題点は、霊的無知にある
宗教や宗派ごとに死後の世界観が違うことはおかしい
⇩
原因はいずれの宗教も死の真実を知らないことにある
従来の宗教
・死は恐怖
・死別は悲しみ
《スピリチュアリズムがもたらす霊的事実》
⑴死の問題を科学時代に(19世紀半ば)に取り上げた
近代産業革命後に、驚異的な物理的心霊現象を霊界主導でおこした
⑵宗教という形式ではなく、霊的事実に基づく新しい霊的思想という形で、死の問題や疑問に回答を示す。宗教に代わって、死生観や死後の世界を証明するため
⑶さまざまな心霊現象の科学的研究 → 霊魂説の証明 → 人類史上初の死の真実の解明
霊魂の存在を一流の物理学者や科学者によって研究させ客観的事実として証明することで、人々に死や死後の真実を明かそうとした
⑷信仰問題と深く関わっていた従来の宗教の死生観(宗教ごとの死生観)
⇩
唯一の死生観の確立
誰にとっても霊的事実は一つだと説いている
《スピリチュアリズムの死生観》
⑴死とは 人間の肉体と霊体をつないでいたシルバーコードが切れ、肉体と霊体が永久に分離すること (肉体は不要となって朽ち果て大地にかえる)
⑵死によって人間は霊体をまとって存在する
(肉体と本能を脱ぎ捨て身も心も解放される)
⑶他界者は死後の世界で新しく永遠の人生を始めることになる
(霊体をまとって生き続ける)
従来の宗教 ⇒ スピリチュアリズム
・死は恐怖 ・死を恐れる必要はない(安心)
・死別は悲しみ ・死別を悲しむ必要はない (慰め)
《シルバーバーチの死生観》
⑴死は喜び・希望・地上人生に対するご褒美
⑵死別は、新しい人生の出発であり霊的人生始まりを祝福すべきとき
※シルバーバーチの霊訓[5]P32/後3~P33/3
「肉眼の視野から消えると、あなた方は悲しみの涙を流されますが、私たちの世界ではまた一人
物質の束縛から解放されて、言葉で言い表せない生命の喜びを味わいはじめる魂を迎えて、うれし
涙を流します。私はいつも“死”は自由をもたらすものであること、人間の世界では哀悼の意を表
していても、本人は新しい自由、新しいよろこび、そして地上で発揮せずに終わった内部の霊性を
発揮する機会に満ちた世界での生活を始めたことを知って喜んでいることを説いております。」
※シルバーバーチの霊訓[5]P37/後4~P38/2
「その自由を満喫している霊のことを悲しんではいけません。毛虫が美しい蝶になったことを嘆
いてはいけません。かごの鳥が空へ放たれたことに涙を流してはいけません。よろこんであげるべ
きです。そしてその魂が真の自由を見出したこと、いま地上にいるあなた方も神より授かった魂の
潜在力を開発すれば同じ自由、同じよろこびを味わうことができることを知ってください。死の意
味がおわかりになるはずです。そして死とは飛び石の一つ、ないしは大きな自由を味わえる霊の世
界への関門にすぎないことを得心なさるはずです。」
※地上人類への最高の福音 P32/8~P32/10
「あなた方が死と呼んでいる現象は、実は、それまでとは比較にならないほど大きな活動の世界
へ誘ってくれる門出なのです。なぜなら、その時から霊的能力が本格的に機能を発揮しはじめるか
らです。」
従来の宗教の死生観 ⇒ スピリチュアリズムの死生観 ⇒ シルバーバーチの死生観
・死は恐怖 ・死を恐れる必要はない(安心) ・死は喜び・希望・ご褒美
・死別は悲しみ ・死別を悲しむ必要はない (慰め) ・死別は祝福すべきこと