神とはどのような存在か
私たち人類にとって、いつの時代でも必ず人生のどこかで考えるテーマは「神」と死」です。
窮地に陥り万策尽きなす術がなくなった時、信仰心がなく神の概念を持たない人でも、最後には
“神頼み”をするのではないでしょうか。
また、身近な人の死を経験した時は、それまで死後について深く考えたことがなくても死んだ人のことを
ふと “あの人今どうしているのだろうか?”と思ったことはないでしょうか。
今回はシルバーバーチが教えてくれた「神」についてです。
5章 神とはどのような存在か
<『神』は人間にとって最重要なテーマ>
・宗教における最も重要なテーマ
神は信仰者にとって絶対的存在であり崇拝と祈りの対象
(宗教を語るうえで神の存在は欠かすことはできません)
・さまざまな神観と信仰
(地上には、地域・時代によりさまざまな神が存在した)
唯一神信仰…キリスト教、イスラム教、ユダヤ教(世界の約半数がこの3大宗教の信者と言われている)
多神教信仰…ヒンズー教、神道、古代ギリシャ信仰、古代エジプト信仰
自然神信仰…シャーマニズムにおける信仰 (太陽・月・雷など自然界の存在物を神格化)
原始的信仰…動物(神の使いとされる)巨木(神が宿る)山(神が住む山岳信仰・自然界に畏敬の念)
人物神信仰…聖母マリア、聖パウロ、菅原道真(歴史上の人物を神格化)
現人神信仰…ダライラマ(チベット仏教)、戦前の天皇
・これまで地上の宗教には正しい神の認識と理解がされてこなかった
(宗教で説かれる神は、常に絶対的存在であると同時に恐れの対象でもあった
奇跡を起こし人間を救うこともあれば、人間を罰する神であった)
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信仰それ自体が間違ったものになっていた。地上には正しい信仰が存在しなかった。
・祈りとは神に対しての人間サイドからの働きかけ
→神に対するイメージや認識が間違っていれば、祈り自体が的外れなものになる
・正しい宗教、正しい信仰、正しい祈りとは
→神についての正しい認識が必要
・シルバーバーチは、神に関する真理『神観』を解き明かした
→地上に初めて真実の宗教・信仰のあり方が示される
かつてイエスは当時の人々に「愛なる神」と説き、人類の霊性と理解力が進化した今、シルバー
バーチは「無限の知性と叡智と神性を備えた実在そのもの」と説いた
<シルバーバーチが明らかにした正しい神の姿>
・スピリチュアリズムは唯一神信仰 唯一の神のみを信仰対象とする(神はたったひとつ)
・シルバーバーチが明らかにした唯一神の特徴…『5つの定義』
(他の唯一神は断片的で部分的であった)
⑴創造主
⑵大霊
⑶愛の始原
⑷究極の理想
⑸摂理の神 → どの宗教も説いていない
⑴創造主としての神、人間にとっては霊的親としての神
…〈神は宇宙から人間、存在物すべてを創造された〉
・宇宙と霊界、そしてそこに存在するすべての生命体・存在物を創造
人間も神によって創造された→神は人間にとって霊的親であり、人間は神の子ども
・人間には神の霊の一部分(分霊・ミニチュアの神)が付与されている
人間の内部には神と同じ分霊が内在している
・大霊の分霊=人間の本体
人間は霊的存在者
⑵大霊としての神 …〈神がどのような形で存在しているのか〉
・神はあらゆる生命の中、存在物の中に内在している
・神は万物の内側と外側に存在し、神から離れて存在しているものはない
⑶愛の始原としての神 …〈⑴創造主とともにキリスト教も説いているが、内容と深さに違いがある〉
・「神は愛である」(イエスによって初めて明らかにされたがそこには救済観がなかった)
シルバーバーチによって、救済観がもたらされた
・神は愛から人間を創造し、全人類の霊的親であり人間は神を共通の親とする霊的兄弟姉妹
・神の愛(利他愛)が、神と人間、また人間同士を結ぶ霊的絆となり、神の愛が全ての存在物を
結びつけることになった→愛の摂理による支配が確立し、神を中心とする愛の世界が形成される
・機械的な冷たい摂理(法則)の支配の背後に、温かい“神の愛”が存在している
⑷究極の理想・目標としての神 …〈人間にとっての目標 神に一歩でも近づくことが成長・進化〉
・人間の分霊は、永遠の霊的成長の道をたどって、神に近づいていく
神は人間にとって永遠に目指す目標であり、理想である
⑸摂理としての神 …〈どの宗教も説いていない〉
・神は摂理を設け、それを通して万物を創造し、維持し、運行し、支配する
・神の摂理の完璧性 → 神の完全性・絶対性・全知全能性
・シルバーバーチの神観の最大の特色
⇨シルバーバーチが人類史上初めて明らかにした画期的な神観
従来の宗教のおける信仰を根底から覆すことになる神観
<シルバーバーチの神観の最大の特色>
『摂理の神』 (シルバーバーチが明らかにした画期的な神観)
どの宗教も説いていなかった神観
・大霊は摂理を造り、その摂理を通して宇宙・万物・人間を支配している
宇宙も万物も人間も、神の摂理によって存在を維持している
・人間は神の摂理を通して神と関係を持っている
神と人間は、間接的な関係で結ばれている
これを人間サイドから見ると、神は常に摂理として現れることになる
・一般人の考える神とは、実は神の摂理のこと (P76/5、P105/4~6)
<「摂理の神」が意味するもの>
・大霊は摂理を通して人間に接している → 間接的な関係であって直接的な関係ではない
・摂理は機械的に支配し、働き、一切の例外はない
この神を信じれば助けてもらえる、この儀式に参加すれば神の特別な祝福が与えられるなどそう
いったものは一切ない → 全ての人間が平等・公平 特別な恩寵は存在しない
・これまでの地上の宗教・信仰は間違い
神に必死になって祈れば神が願いを聞き入れてくれる
特別な配慮や奇跡を起こして救ってくれる
→ 「摂理の神」はこうしたこれまでの信仰が根本的に間違っていたことを明らかにした
・人間にとっての“正しい信仰”とは・・・・神が定めた摂理(規則)に沿うための努力のこと
その努力を通して、霊的成長が促されることになる
自分の方から摂理に合わせ、一致していくことが“正しい信仰”
神に願いをしたり特別な恩寵を期待することではない
摂理から外れたものは一切聞き入れられない
・“祈り”とは神に語りかけ、人間から神に働きかける信仰的行為であるが、“正しい祈り”とは大霊
の摂理の支配に反しない内容でなければならない
正しい祈りをするためには、摂理について正しく知ることが必要
これまでの地上の宗教や信仰者は神の摂理がわからなかった
→ 意味のない無駄な祈りを延々と続けてきた
・神は摂理を通して全てを支配しているため、神は万物の全てを把握し、神の影響力は万物の内側と
外側に偏在するようになっている
『摂理としての神』は、万物に遍く存在する『大霊としての神』を意味する