地上人生の意義と目的
今私たちが存在しているこの地上は、霊界から見ると一時的な仮の住処でありトレーニングの場です。
霊界にいる霊たちは、霊界は素晴らしい所だと口を揃えて言います。
本来の住処である霊界の方が地上より素晴らしい世界なのに、なぜ霊界よりもすべての面で劣る地上に誕生し、生活をしなければいけないのでしょうか…
《地上人生の目的は、霊界を知って初めて分かるようになる》
霊的真理※1を知らない地球上の大半の人々は、地上での生活がすべてであると考えています。
中には、「今から死後のことを心配するのは愚かしいことである。それは現実の人生からの安易な逃避に過ぎない」と言う人もいます。「死後のことなど考えずに、今を精一杯生きるべきだ」と言うのです。
しかし、実際に霊界がある以上、そうした地上世界をすべてとする考え方(人生観・価値観)は間違いです。それは(唯物主義の上に成り立つ人生観や価値観)広い世界を見たことのない井の中の蛙が“自分は偉い!”と一人自慢をしているのと同じであり、その人の人生はおそらく的外れで無駄なものになってしまうことでしょう。※2
「地上人生の意義と目的は何か?」についての答えは、霊界まで含めた視点に立って得られるようになるのです。霊界の実在を知らない人間が、いかに地上人生の意義を探ろうとしても不可能です。地上世界という小さな枠の外へ出て、初めて地上人生の真の意義と目的が分かるようになるのです。※3
『シルバーバーチの教え(上)』P.37/L7~L8
「あなた方は今この時も霊的世界生きているのです。物質界での生活は永遠の人生におけるほんの束
の間の時にすぎません」
『シルバーバーチの教え(上)』P160/後ろから4~1
「あなた方は、その体験の最中にあってはそうは思えないでしょう。人生体験の価値を明確に認識で
きるようになるのは、こちらへ来て地上人生の一部ではなく、全体を振り返ることが出来るように
なった時です。逆境の中にあった時こそ性格が試され、悲哀の中にあった時こそ魂が強化されてい
たことを知るものです。」
『シルバーバーチの霊訓』(8)P16/5~7
「地上の人間はなぜ知識よりも無知を好み、真理よりも迷信を好み、啓示よりも教理を好むのでしょ
うか。それがどうしても理解できないのです。私の理解力を超えた人間的煩悩の一つです。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P43/LB3~LB2
「大切なのは、人間が永遠なる魂であり、地上生活はその永遠の巡礼の旅路のほんの短い、しかし大
事な一部なのだという事実を知ることです。」
『霊的新時代の到来』P.255/L4~L7
「あなたも、他のすべての人間と同じく、一個の霊的存在です。物的なものはそのうち色あせて朽ち
果てますが、霊的なものは永遠であり、いつまでも残り続けます。物質の上に築かれたものは永続
きしません。物質は殻であり、入れ物にすぎず、実体ではないからです。地上の人間の大半が幻影
(まぼろし)を崇拝しております。」
※1.基本的な霊的真理とは ①人間は霊的存在である(この物質世界で生きている今も霊的存在)
②死後はみな霊界へ行く(それぞれ帰る世界がある)
③永遠に生き続ける(完全へ向けての成長の連続)
この3つになります。地上人生だけではないということは重大な事実です。
※2.一人ひとりにそれぞれの地上での目的があります。的外れな地上人生とは、目的が果たせなかった人生ということになります。
自分の持っている限られたわずかな知識ですべてを分かることは不可能です。大きな視野とは、あらゆる角度から物事を判断することでそれは霊的視野を含めたことです。
※3.基本的な霊的真理の理解があってこそ地上人生の意義と目的が分かります。
《地上人生の目的は、霊的成長をなすこと》
では地上人生は、いったい何のためにあるのでしょうか?
「魂を成長させて、死後の霊界での生活に備えるため」----それが答えです。
地上人生は霊界での生活と比較するなら、実にわずかな期間にすぎません。その短い地上での生き方が、死後における永遠の世界での歩みを大きく左右し決定することになります。地上人生という限られた時間は、まさに霊界へ行くための準備期間に他ならないのです。
すべての人間は、霊的成長をなすために地上に生まれ、そこで生活するようになっています。
「地上人生は霊的成長のためにある」と言っても過言ではありません。
『シルバーバーチの教え』(上)P160/6~9
「種子が暗い土中に埋められるのは、養分を摂取して発芽後の生長に備えるためです。それと同じ
く、人間的生命の種子が物質界という暗黒の世界に生まれてくるのは、霊界へ戻ってからの進化
に備えて地上的体験を積むためです」
『霊的新時代の到来』 P196/4~6
「その地上生活の目的はいたって簡単なことです。死後に待ち受ける次の生活に備えて、本来のあ
なたであるところの霊性を強固にすることです。身支度を整えるのです。開発するのです。」
『霊的新時代の到来』P.253/LB2~LB1
「地上生活のそもそもの目的が、地上を去ったあとに待ちうける次の段階の生活にそなえて、それ
に必要な霊的成長と才能を身につけていくことだからです。われわれ生あるものは、すべて、ま
ず第一に霊的存在であるということです。霊であるからこそ生きているのです。霊こそ存在の根
元なのです。生きとし生けるものが呼吸し、動き、意識を働かせるのは、霊であるからこそなの
です。その霊があなた方のいう神であり、わたしたちのいう大霊なのです。その霊の一部、つま
り大霊の一部が物質に宿って、次の段階の生活にふさわしい力を身につけるために地上体験を積
みます。それはちょうど、子供が学校へ通って、卒業後の人生にそなえるのと同じです」
『シルバーバーチの霊訓』(10)P41/5~LB1
「地上生活の目的は、いよいよ霊界へ旅立つ時が来たとき(死を迎えた時)に霊に十分な備えができ
ているように、さまざまな体験を積むことです。まずこの地球へ来るのはそのためです。地上はト
レーニングセンターのようなものです。霊が死後の生活に対して十分な支度を整えるための学校で
す。あなた方にとってイヤな体験こそ本当はいちばん為になるのですよと繰り返し申し上げるの
は、そういう理由からです。魂が目覚めるのは呑ん気な生活の中ではなく嵐のような生活の中にお
いてこそです。雷鳴が轟き、稲妻が走っている時です。 酷い目に遭わなくてはいけません。しご
かれないといけません。磨かれないといけません。人生の絶頂と同時にドン底も体験しなくてはい
けません。地上だからこそ味わえる体験を積まないといけません。かくして霊は一段と威力を増し
強化されて、死後に待ち受けている生活への備えができるのです。」
『シルバーバーチの霊訓』(10)P63/2~P63/5
「地上のいちばん肝心な目的は、霊が地上を去ったのちの霊界生活をスタートする上で役に立つ生
活、教育、体験を積むことです。もし必要な体験を積んでいなければ、それはちょうど学校へ通い
ながら何の教育も身につけずに卒業して、その後の大人の生活に対応できないのと同じです。」
《何度も地上人生をやり直すことになる》
地上世界には、私たちの基本的な霊的成長を促すために必要なあらゆる条件が備わっています。永遠の霊的成長の基礎となる部分を作り上げることが、地上人生の最大の目的です。地上生活を通じて到達すべき一定の成長レベルは神から決められていて、そこに至らないうちは、何度でも地上人生をやり直さなければなりません。もし、回り道をしてしまうなら、長い苦しみの期間を費やしてそのプロセスを通過しなければならないのです。
残念なことに、大半の人間は地上人生を無駄に過ごしています。有意義に人生を送っている人はほとんどいません。その一番の原因は「霊的真理を知らない」という一点に帰着します。すなわち大半の人々が霊的世界と霊的事実に対して無知である、ということなのです。その結果、地上人生の意義がわからずに地上的な煩悩や物質欲に翻弄され、肝心な霊的成長を果たすことなく人生を終えてしまうようになります。そうした人間も霊界に行くと、大切な地上人生を無駄に過ごしてきたことを悟り、大変な後悔をするようになります。そして、「地上に再生して霊的成長の道を歩み直したい」と思うようになるのです。
『シルバーバーチの霊訓』(1)P38/1~5
「地上に生を享けるとき、地上で何をすべきかは魂自身はちゃんと自覚しております。何にも知
らずに誕生してくるのではありません。自分にとって必要な向上進化を促進するにはこういう
環境でこういう身体に宿るのが最も効果的であると判断して、魂自らが選ぶのです。ただ、実
際に肉体に宿ってしまうと、その肉体の鈍重さのために誕生前の自覚が魂の奥に潜んだまま、
通常意識に上がって来ないだけの話です。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P109/7~13
「地上へ誕生してくる時、魂そのものは地上でどのような人生を辿るかをあらかじめ承知しており
ます。潜在的大我の発達にとって必要な資質を身につけるうえでそのコースがいちばん効果的で
あることを得心して、その大我の自由意志によって選択するのです。その意味であなた方は自分
がどんな人生を生きるかを承知の上で生れて来ているのです。その人生を生き抜き困難を克服す
ることが内在する資質を開発し、真の自我──より大きな自分に、新たな神性を付加して行くの
です。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P117/7~9
「地上の価値判断の基準は私どもの世界とは異なります。地上では“物”を有難がり大切にします
が、こちらでは全く価値を認めません。人間が必死に求めようとする地位や財産や権力にも重
要性を認めません。そんなものは死とともに消えてなくなるのです。」
『霊的新時代の到来』P65/LB4~LB1
「この世的な富を蓄積していると、それなりの代価を支払わされます。つまり地上的なものに心を
奪われて、その分だけ霊としての義務を怠れば、地上的な富は増えても、こちらの世界へ来てみ
ると、自分がいかにみすぼらしいかを思い知らされます。」
《地上人生を無駄に過ごす多くの人々》
霊的世界に対する無知から多くの人々が、どうでもいいことや何の価値もないことに時間とエネルギーを費やして地上人生を過ごしています。彼らが人生をかけて追い求めているものは、財産・地位・名誉・快楽といった霊的には全く価値のない、死とともに消滅してしまうものばかりです。地上で生きていくために最低限の物質は必要ですが、限度を超えて求めることは間違っています。お金やモノは、霊的成長にプラスとなるように活用してこそ価値を持つものなのです。物質的なものを得るために費やす時間とエネルギーは、できるだけ少ない方がよいのです。私たちのこの地上人生は「霊的成長」のために与えられています。その最も重要なことを無視して物質的快楽を追い求めるなら、せっかくの地上人生をすべて無駄にしてしまうことになります。物質的な狭い視野を離れ、霊的視野から常に自分の人生を考えなければなりません。霊的真理を実践して霊的成長の道を歩んだとき、初めて本当の意味での充実した地上人生・生きがいのある地上人生を送ることになるのです。
『最後の啓示』P144/LB2~P145/7
「もう一つの邪魔ものは、崇拝の対象です。かつて“黄金の子牛”と呼ばれていた物質財産が崇拝
の対象とされています。人生の基盤が霊的実在であることを宗教が説き明かすことができなく
なったために、圧倒的大多数の人間が、物質こそ存在のすべてであり、五感で感じ取れるもの
以外には何も存在しないのだと信じるようになっています。そこで彼らは、人生は七十か八十
か九十年、どう長生きしてもせいぜい百年だ。存分に快楽を味わうために金を儲け、財産を貯
えようではないかと言います。イザヤ書にある“食べて飲んで陽気にやろうではな
いか、どうせ明日は死ぬ身よ”という一節がそれをうまく表しております。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P71/LB6~LB2
「全ての魂がそうであるように、あなたの魂も、地上でいかなる人生を辿るかを誕生前から承知
していたのです。その人生で遭遇する困難、障害、失敗の全てがあなたの魂を目覚めさせる上
での意味を持っているのです。価値ある賞ほど手に入れるのが困難なのです。容易にもらえる
ものはもらう価値はないことになります。簡単に達成したものほど忘れやすいものです。内部
の神性の開発は達成困難なものの中でも最も困難なものです。」
『シルバーバーチの霊訓』(1) P.38/L6~L10
「あなた方地上の人間にとっての大きな問題点は、やむを得ないことかもしれませんが、人生と
いうものを間違った視点から観ていることです。つまり、あまりにもこの世的・物質的視点か
らのみ人生を考えていることです。人生には確かに物質的要素がありますが、同時に霊的なも
のであり、永遠に続くものなのです。その永遠なるものを地上的視野だけで眺めてはいけませ
ん。それでは十全な判断はできません」
『シルバーバーチの霊訓』(9)P81/4~12
「地上の悲劇は、霊的真理にまったく無知な人間が無数にいるというところにあります。(中略)
そういう人たちは地上生活の目的が分かっておりません。地上を去るまでにしておかねばなら
ないことについて何の予備知識も持ち合わせません。人生の価値観が間違っておりますから、
優先させるものが間違っております。視野のピントがずれております。物事の判断基準が狂っ
ております。生活は不毛で味気なく、自我の開発などとうてい覚束なく、生きる目的というも
のがありません。いつも迷路の中に生きており、出口が見出せずにいます。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P116/3~7
「人生の最高の目標が霊性の開発にあることを、ゆめ忘れてはなりません。自分の永遠の本性に
とって必須のものに目を向けることです。それは人生について正しい視野と焦点を持つことに
なり、自分が元来不死の魂であり、それが一時の存在である土塊(つちくれ)に宿って自我を
表現しているにすぎないこと、心がけ一つで自分を通じて神の力が地上に顕現するという実相
を悟ることになるでしょう。」
『シルバーバーチの霊訓』(1)P.69/LB3~LB1
「私たちは地上生活を物的視野でなく、価値観も異なれば判断の基準も異なる霊的世界から眺め
ております。その視野からの判断の方が遥かに真実に近いと信じております」
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