再生観(1)
再生観とは、前世・過去世・生まれ変わり・輪廻転生とも言われており、さまざまな解釈がされています。
仏教の六道輪廻(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)や、7つの世界でできているという神智学や、また地域や民族ごとの再生観などがあります。果たしてどの再生観が正しいのでしょうか。真実はどこにあるのでしょうか。私たちは何を基準に判断すればいいのでしょうか。
地上にいて正しい再生観を得るには、正しい知識が必要ですが、地上の人間はその知識が乏しすぎるため正しい判断ができません。霊界通信によってもたらされた霊的真理・霊的知識から正しい再生観を見抜く力を学ぶほかありません。
◆再生(輪廻再生・輪廻転生)とは
(再生とは以前にも地上人生があったということを意味します)
・死後、再び地上に生まれ変わり、地上人生を送ること
(今回の地上人生で真理に出会い受け入れらたのは、すでに何回目かの地上人生であり真理を理解できる
までの数々の体験をしてきたからです)
・古来、生死を繰り返すという再生信仰が世界各地に存在してきた
→生と死を繰り返すこと (原始宗教、自然信仰の中にもありました)
・再生は宗教における重要なテーマ----死生観・他界観(死後世界観)と並ぶ、宗教思想上の重要な分野
(神や死についてと同じように多くの人が人生の中で一度は考える重要なテーマです)
・世界の宗教は、再生を認める宗教と認めない宗教に分かれる
再生を認めない → キリスト教・イスラム教(唯一神信仰) (世界人口の約60%)
再生を認める → インド宗教(ヒンドゥー教・バラモン教)・仏教など多くの宗教
(宗教の信者数ではなく、宗教の数で言えば多くの宗教で再生を認めています)
・再生論にはさまざまな種類がある
(宗教ごとにさまざまな神が説かれているように再生論もさまざまです)
・再生問題は、最も難解な宗教のテーマで未解決の難問
(何が正解なのかわからないのが現状。霊界からのわずかなインスピレーションを受けた霊媒が自分の顕在
意識や考えを混ぜて創作した再生論しかありませんでしたが、シルバーバーチによって初めて霊界から再
生の事実を教えられ明確な再生論が明らかにされました。霊界でも知り得ることがあまりない再生の事実
をシルバーバーチによって、私たちは地上にいながらにして得ることができるようになりました。)
◆スピリチュアリズムにおける再生肯定派と否定派の対立と内部の混乱
イギリス系スピリチュアリズム…長い間、再生を否定
代表者:ウィリアム・ステイトン・モーゼス 『霊訓』
フランス系スピリチュアリズム(スピリティズム)…最初から再生を肯定
代表者:アラン・カルデック 『霊の書』
(スピリティズム=精神主義・霊によるものという意味があり、明らかに霊的なものという意味が
込められています。思想の大前提として再生を説いています。)
※過去においては、イギリス系スピリチュアリズムからは再生肯定説のため『霊の書』の評価は大変低く、
批判を受けていましたが、その後20世紀に入るとイギリス系スピリチュアリズムが変わっていき、現在では
3大霊訓となっています。
このように再生を肯定するスピリチュアリズムと否定するスピリチュアリズムが対立し混乱していました。
そして、再生の事実をさらに混乱させる要因が霊界通信にもありました。
霊界通信はスピリチュアリズムの土台ですが、そこで肯定する霊と否定する霊とが現れたことが混乱を
さらに深めました。
・霊界通信(霊界からの通信内容)も肯定派と否定派に分かれる⇒スピリチュアリズム内部の対立と混乱を拡大
・20世紀に入ると、イギリス系スピリチュアリズムの中にも、再生を明確に肯定する霊界通信が現れる
(マイヤース、シルバーバーチ、ホワイトイーグルなど)
『シルバーバーチの霊訓』(10)P173/6~後ろ4
…生まれ変わりは本当にあるのでしょうか。 「これは非常にややこしい問題です。というのは、この問題に関してはこちらの世界でも事実を知る者と
知らない者とで意見がさまざまに分かれているからです。知らない者はあくまでも〝ない〟と主張し、
知っている者は自分の体験から自信をもって〝ある〟と断言します。
私は後者の一人です。私にも体験があるからです」
(ここでは、シルバーバーチは再生についての霊界での再生に関しての意見の違いがあることを述べて
います。霊界の低い界層や幽界などにいる霊は再生はないと言い、シルバーバーチのような霊性の高
い霊は自分の体験などから再生はあると明言しています。)
◆シルバーバーチによって人類史上初めて再生問題の真実が解明
・シルバーバーチによって、再生をめぐる霊界通信の矛盾が解決(肯定と否定の相反した内容)
異なる通信内容の理由が明らかにされました
・再生の事実は進化した高級霊のみが知り得る事実
霊的進化が未熟で低い界層にいる霊には、再生の事実を知ることはできない
『教え』(上)P222/後ろ2~P223/1
・通信霊が低い界層(幽界など)にいる場合、再生の事実は分からない
(地上に通信を送ってくるのは幽界などの低い界層の霊からが大半です。それは波動が地上に近いため
通信を送りやすいのと、まだまだ地上的なものへの未練や執着があり接触を持ちたいと望むからです。
低い界層の霊は「再生はない」と思い込んだまま地上に通信を送ってきます。そういった理由から、
高度な霊界通信が送られてくる以前のスピリチュアリズム初期には、再生否定論が常識のようになって
いました。)
『シルバーバーチの教え』(上)P227/9~P227/LB1
…自分はこれまでに地上生活を何回経験しているということが明確に分かる霊がいますか。
「います。それを知ることが必要な段階にまで成長すれば自然に分かるようになります。光に耐えられるよ
うになるまでは光を見ることが出来ないのと同じです。名前をいくつか挙げても結構ですが、それでは何 の証拠にもなりません。何度も言ってきましたが、再生の事実は「説く」だけで十分なはずです」
・低い界層にいる未熟な霊も霊的成長して高い界層に行くようになると再生の事実を知るようになる
→ それまでの否定的な見解とは異なる通信を送ってくるようになる
『シルバーバーチの教え』(上)P228/4~5
「私と同じだけの年数を生きたなら、その人もきっと考えが変わることでしょう」
・<シルバーバーチ>の登場によって、スピリチュアリズム内部の再生をめぐる論が決着
再生が事実であることが明らかにされる → スピリチュアリズムの公式見解になる
(シルバーバーチによって霊界通信の再生についての意見の違いの原因がわかるようになりました)
では、ここからシルバーバーチの説く再生観をみていきます。
再生については、誰もが受け入れられ理解できる簡単なものではなく、
複雑で難しい内容です。
それを、シルバーバーチが地上の限られた言語で何とか伝えようとしてくれました。
「シルバーバーチの再生観」
シルバーバーチによって明らかにされた再生の事実
⑴ 類魂 (再生を語るには類魂は最重要であり大前提で、類魂の事実を抜きに再生は語れません)
⑵ 再生の主体 (何が再生するのか)
⑶ 再生の目的 (何のために再生するのか)
⑷ 再生に対する自己選択・自己決定 (再生は強制でもなく自動的に繰り返されるのでもありません)
◆シルバーバーチの再生観(1) 類魂(Group Soul)が再生のメカニズムを解くカギ
・再生の事実を理解するための最も重要な霊的事実が「類魂」
類魂は再生観のキーワードで、これを知らずして再生の事実はわからない
(今まで再生について多くの宗教が正しい再生を説くことができず、私たちが正しく理解できなかった
のは、この類魂の事実を知らなかったからです。)
再生の土台となる類魂についてみていきます 類魂の前段階霊的家族について
死後、死の眠りを経て幽界で目が覚めそこで地上的なもの地上的意識を拭い去ると自然と眠くなる→第二の死の眠り→次に目が覚めると同じ霊性の仲間の中にいる 霊的グループの中にすでにいる状態
・霊的家族(霊的グループ)の形成 … 霊界では霊的成長レベルが同じ者同士が引き合って、大小さまざま
な“霊的家族(霊的グループ)”を形成
(霊的親和性によって霊的グループができています。霊界には無数の界層がありますが、それは無数の霊的
グループがあるということです。)
この霊的グループを単位にして共同生活が営まれている
(数は様々で大きなグループ小さなグループが存在する)
・霊的家族(霊的グループ)
・霊の集まり
『シルバーバーチの霊訓-地上人類への最高の福音』P23/4~7
「さて、霊界には幾層にもつらなる生命の世界が存在します。そこに生活する者の霊的成長度によって格付け
されている世界です。段階的な上下の差があり――互いに融合し合っておりますが――それぞれの界層に
は、そこに住まうだけの霊的成長を達成した者がいっしょに生活しています」
(同じ霊性・霊格のものだけが集まった界層ができあがっています)
『シルバーバーチの霊訓-地上人類への最高の福音』P29/後ろ2~P30/3
「あなたはそうした霊的本性に合った世界へ赴くのです。特別の使命がないかぎり、それより低い世界へは行
きたいとは思いません。が、それより高い世界へは、行きたくても行けません。その時に発揮しているバイ
ブレーションより高いものは発揮できないからです。そういう次第ですから、結局は霊的成長度と霊的能力
において同等の人たちと交わることになるわけです」
『シルバーバーチの霊訓-地上人類への最高の福音』P30/LB3~LB1
「生活上で交わる相手が同格の霊性を身につけた者に限られるということです。絶対に誤ることのない霊的親和力の法則によって自然にそう収まるのです」
(自然に同じ霊性の者同士が集まってグループを形成しています。それが霊的家族です。)
・霊的グループの中では、構成メンバーの心(霊的意識)が融合して、一つの大きな意識体(心・魂)が
形成されます。それが類魂です。
(地上では自分の意識と他人の意識が混ざり合うことはありえません。そのため、想像することが大変
難しいことです。)
類魂 グループメンバーの“共有意識・共有魂”
メンバー一人ひとりの心(魂)が融合・一体化してできた大きな心(魂)
単なる小さな心の寄せ集め(集合体・ソウルグループ)ではない
一つに融合した大きな魂
【類魂(グループソウル)とは】
・集合化した霊的意識・共有意識(霊的心)
・全体意識(みんな)=個別意識(私)
・意識の融合・一体化
・大きな私 = 私
・大きなインディビジュアリティー
(霊的グループ全員の意識が融合し一つの大きな意識を作ります。その大きな意識全部が私であり、
霊的グループ全員の意識でもあります。)
・類魂の中では、メンバーは自分と他人が一体化したような体験をする
(メンバーの体験を自分の体験にすることができる)
他人の心を自分の心として共有するようになるため、まさに自他が一体化する
(個人=全体:グループメンバー)
それでいて個人としての意識もしっかり保持しています。
(決して個人が埋もれてわからなくなることはありません。先に死んだ者が新たに幽界へ来た愛する者を
出迎えることができるのは個別意識がしっかりとあるからです。たとえば自分の愛する妻を出迎えに霊界
から幽界へ下りてくるのは、夫だった時の意識があるからこそ可能なのです。)
・再生とは、この類魂を土台として発生する“共同成長のシステム”である
このように類魂というシステムがあって再生が成り立っているという事実を知らずに、再生を理解することは できません。類魂の概念がない再生観は的を得ていないことになります。
『教え』(上)P222/後ろ2~P222/7
…それはマイヤースのいう「類魂」と同じものですか。
「まったく同じものです。ただし、単なる魂の寄せ集めとは違います。大きな意識体を構成する集団で、その全体の進化のために各自が体験を求めて物質界にやってくるのです。」
…その意識の本体へ戻ったとき、各霊は個性を失ってしまうのではなかろうかと思うのですが……
「川が大海へそそぎ込んだ時、その川の水は存在が消えてしまうのでしょうか。オーケストラが完全なハーモニーで演奏している時、例えばバイオリンの音は消えてしまうのでしょうか」
『シルバーバーチの霊訓』(4)P77/後ろ1~P78/3
…「われわれ個々の人間は一つの大きな霊の一分子ということですか」 「そういってもかまいませんが、問題は用語の解釈です。霊的には確かに一体ですが、個々の霊はあくまで個性を具えた存在です。その個々の霊が一体となって自我を失ってしまうことはありません」
ここで大切なことは、霊的グループと類魂の違いと、意識の融合です。
同じ霊性の者同士が集まって自然とグループを形成しています。それが霊的グループです。
そして、そのグループ内全員の意識を共有し融合したものが類魂です。融合しますが、個別の意識もきちんと保持されていてなくなるわけではありません。