宗教の観点からみたスピリチュアリズムの全体像
本来宗教とは、人類を救うため正しい道へ導くためのものでしたが、現在の地上の宗教はその役目を果たせていません。
霊的無知の上にできあがった教義や教え、霊的に意味のない形式や儀式にこだわり聖職者宗教家自身が多くの人と同じ
ような地上的・物質的なものを優先した考え方をしています。
「本当なら教会の入り口には「我等が忠誠を捧げるのは真理、ただ真理のみ」とあるべきところを、実際には
〔我等は信条を説き、教義を旨とし、儀式を重んじ、祭礼を絶対視する〕 と書かれております。教会はまるで
真理に敵対するための手段となっております」
『シルバーバーチの教え』P.129/LB1~P.130/2
(スピリチュアリズムには大いなる目的があります。シルバーバーチの霊界通信はそのスピリチュアリズム計画の中の
一つです。スピリチュアリズムをより理解するために、さまざまな角度からみることは重要です。
今回は「宗教の観点」からスピリチュアリズムをみていきます)
スピリチュアリズムとは、霊界主導の人類史上最大の宗教革命(定義)です。
その具体的内容は、霊的真理による地球上最大の宗教革命のことです。
(一部の地域や特定の宗教ではなく、規模の全く違う地上全体の宗教革命です。過去においての宗教革命は
議論や武力によって起こされていましたが、スピリチュアリズムは霊的真理・霊的知識によって地上全体に
宗教革命を起こそうとしています。)
スピリチュアリズムによる宗教革命とは…
霊的真理の普及によって、地球上のすべての宗教を、霊界の宗教に置き換えようとする宗教の
大革命のことです。
(地上の宗教も部分的に霊的真理を含んでいますが、間違いや意図的な創作が混ざっています。
玉石混交の教えを盲信することは、最終的には人類の成長進化を阻むことになってしまいます。
では、 なぜ地上の宗教がダメなのか…それは霊的真理とはかけ離れた教えだからです。
なぜなくした方がいいのか…人間の霊的成長を阻むからです。
地上の宗教とスピリチュアリズムについてシルバーバーチが語っています。
「スピリチュアリズムの発展を私たちは他の宗教と同列に並べて考えていないことを銘記してください。
私たちにとってスピリチュアリズムというのは宇宙の自然法則そのものなのです。 これを体系化して幾つかの信条箇条とすべき性質の教えではありません。キリスト教とて頭初は自然
法則の一つの顕現でした。ユダヤ教もそうですし仏教もそうです。その他地上に誕生した宗教の全て
が最初はそうでした。それぞれの教祖が霊覚でもってその時代の民衆の成長、発展、進化、慣習、鍛
錬、理解力等の程度にふさわしいビジョン、インスピレーション、悟りを手にしました。
それがさらに受け入れる用意のある者に受け継がれていきました。それは一部とはいえ真理であること
には間違いありませんでした。ところが残念なことに、そのささやかな真理が(人間的夾雑物の下に)
埋もれてしまいました。真理の持つ純粋な美しさを留めることができなかったのです。まわりに世俗的
信仰、神学的概念、宗教的慣習、伝承的習俗などが付加されて、玉石混交の状態となってしまいまし
た。やがて神性が完全に影をひそめてしまいました。そして新たにそれを掘り起こし蘇生させる必要性
が生じたのです。過去の宗教はすべて-----例外なしに-----今日こうして地上へ届けられつつあるものと
同じ啓示の一部であり一かけらなのです。一つの真理の側面に過ぎないのです」
『シルバーバーチの霊訓』(5)P.56/LB2
◆地上の宗教の実態(宗教の問題点)ーーー 霊的に見るとすべて失格
(実在の世界である霊界から見ると)
① 霊的無知(間違った人工的な教え、ウソの教えを説き、教義としている)
霊界通信によってもたらされた霊的事実と照らし合わせると違いが分かります。
「宗教についての真実を申せば、真理のすべてを説いている宗教など有りえないということです。
どの宗教も、真理の光のほんの一条(ひとすじ)しか見ておりません。しかも悲しいかな、そ
の一条(ひとすじ)の光すら、永い年月のうちに歪められ、狂信家によってねつ造されておりま
す」 『地上人類への最高の福音』P.112/7~9
② 宗教本来の使命を果たしていない(宗教の本来の使命は、霊的成長を促すこと)
霊的成長によって救いがもたらされます。苦しみや苦難は人間の霊的成長にとって有難いもの
だということを教えることも宗教の役目でしたが、現実は避けるもの忌むべきものとなってい
「わたしたち霊界の者がこうして地上へ戻ってくる目的の真意が、ほかならぬ宗教の指導者である
べき人から曲解されております。いつの時代にあっても、宗教とは基本的には霊力との関わり合
いでした。それはまず、地上の人間の霊的向上を指向し規制する摂理を教える使命を帯びた者が、
地上へ舞い戻ってくるということから始まります。つまり宗教の本来の目的は、人間の霊性に関
わっているからです。
そこから出発し、ではその霊性を正しく発達させる上で、霊界からの指導を受けるにはどうすべ
きかを説くのが、宗教の次の仕事です。霊的摂理は広範囲にわたっております。ところが、それ
が不幸して誤って解釈され、その上、それとは別の意図を持った聖職者が割り込んできたために、
そこに混乱が生じたのです」 『スピリチュアル・メッセージ』P.140/3~LB5
③ 人類にとって有害な存在 ・・・人々の魂を霊的牢獄に閉じ込め、霊的成長を妨げている
“信じることで救われる“という教えは人間の理性に目隠しをさせ盲信や狂信を生む原因になって
います。“教えに背くと神の怒りをかう、神に見捨てられる”などといった教えで恐怖心を煽り、
霊的な自由を奪い間違った宗教に縛りつけてしまっています。
「宗教の教義(信条)による束縛は、地上界の悲劇の一つです。それは重い疫病よりも悪質で、肉体
の病気の苦しみよりも、はるかに酷い苦痛をもたらします。なぜならそれは「魂の病」を生み出し、
霊に目隠しをしてしまうからです」 『シルバーバーチの教え(上)』 P.124/6~8
④ 組織エゴを増大させ、地上に戦争や紛争などさまざまな悲劇をもたらしている
↓
地上の宗教は“人類の敵”
人類にとって存在しない方がよい
人を救うための宗教によって不幸な争いが起こりそれに巻き込まれた人間の地上人生や、霊的価
値のない教えを説く地上の宗教を盲信した人間の地上人生は、霊的成長とは無縁の無駄な人生に
なってしまいます。
「(教義や儀式などの形骸にとらわれて)霊の力を活用しなかったために、地上は何とみすぼらしい
世界になってしまったことでしょう。迷信や無知の壁を取り壊そうとする努力を、私たちはこれか
ら先、いつまで続けなければならないのでしょうか」『シルバーバーチの教え(上)』 P.132/6~8
地上の宗教種類は把握できないほど多く存在し、説く教えも神の姿もその宗教の数だけ存在しま
す。人間を幸せに導くはずの宗教が戦争を引き起こし、また同じ宗教の中でも対立が起こり宗派
や派閥を作り出しています。
それは、教えの解釈の違いによる分裂です。ここに地上の宗教の人間的思想の混入が現れています。
真理は一つであるはずなのに、受け取る人間の思想や主張などが、本来の姿を歪めているのが実情です。
◆霊界の宗教とは
① すべての霊が「唯一・共通の宗教」を信じている
霊界では神とはどんな存在か、本当の幸せが霊的成長にあることなど全ての霊が同じ認識をして
います。神への崇拝と霊的同胞世界が出来上がっている世界です。
② 信仰対象は大霊である「神」と神が創った「摂理」
地上では自然信仰(太陽や木や石、山岳信仰における山)や、偉人信仰(イエス、菅原道真など)
神話の登場人物など信仰対象が多岐にわたっています。しかし、摂理を信仰する意識は地上には
ありません。
「イエスを崇拝の対象とするのは間違いです。崇拝の念は大霊に捧げるべきであって、大霊の
使者に捧げるべきではありません」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.138/2~5
→すべての霊が神の摂理による支配を認識している 共通認識されている
「絶対的忠誠を捧げるべきは《大霊の摂理(法則)》だけです。それだけが誤ることもなければ
裏切ることもないからです。だからこそ私たちは、大霊の摂理を説いているのです」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.128/5~7
③ 摂理に一致した生き方が、そのまま信仰実践となっている
霊界では誰もが摂理に沿った生き方が霊的成長できると知っているから信仰実践が日常生活と
なっています。
→霊的成長に関わる「利他性の摂理」と「カルマの摂理」
肉体がないため「霊主肉従の努力」はありません。
④ 霊界の宗教には、地上のような宗教組織や宗教儀式はない
教会、モスク、神社などの建造物はありません。仰々しい儀式も祭壇も聖なる書物もありません。
→あらゆる点で、地上の宗教とは正反対
「信条・ドグマ・教義・儀式・祭礼・ステンドグラス・祭壇・法冠・外衣――こうしたものが
いったい宗教と何の関係があるというのでしょうか」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.130/LB4~LB3
霊界の宗教を地上にそのままもってきたのがスピリチュアリズムです。
地上のすべての宗教を霊界の宗教に置き換えることがスピリチュアリズム計画の目的です。
霊界では、深い信仰心・神への畏敬の念をすべての霊がもっています。
◆真の宗教とは (正しい宗教の定義)
真の宗教とは霊界の宗教そのものです。地上における正しい宗教とは霊界の宗教です。
① 信仰対象は、大霊である「神」と「神の摂理」
② 摂理に一致した生き方(摂理にそった日常生活での実践)
利他愛の実践・苦しみの甘受・霊主肉従の努力などです。
③ 宗教組織や宗教儀式(教祖・教義・儀式・布教活動・宗教的施設)は必要ない
地上の宗教からそれらを取り去ると何が残るでしょうか。人間を支え、慰め、鼓舞し、神と人間
を結ぶことができるでしょうか。地上の宗教を信仰する者にとって心のよりどころがなくなって
しまいますが、真理を知るスピリチュアリストはなくても困りません。
「本当なら教会の入り口には “我等が忠誠を捧げるのは真理、ただ真理のみ” とあるべきと
ころを、実際には “我等は信条を説き、教義を旨とし、儀式を重んじ、祭礼を絶対視する”
と書かれています。教会は真理に敵対する手段となっているのです」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.129/LB1~P.130/2
④自らの努力によって、自分自身を救う自力救済的生き方
地上の宗教は、神の恩寵・奇跡・代わりに罪を償ってくれるなど特別な力に期待する他力救済で
す。
「地上の人間は一人の例外もなく、自分の努力で人格を形成し、自分の努力で霊的進化を達成
するために地上界へ来ているのです」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.154/LB3~LB1
⑤ 一人ひとりの霊的成長と、霊的同胞世界の確立を目的とした生き方
個人の救い(救われる人)が増えるごとに霊的同胞世界に近づいていきます。
真の宗教 = 霊界の宗教 = スピリチュアリズム
「私たちはあなた方に、いかなる教義も儀式も作法も要求しません。ただひたすら大霊の愛がその
子供たちを通して顕現するように努力しているだけです。そのためには、いかなる書物にも、い
かなるドグマ(教義)にも縛られてはいけません。いかなるリーダーにも、いかなる権威にも、
いかなる学識にも、また崇敬の対象とされるいかなる聖遺物にも縛られてはいけません。あなた
方はひたすら、大霊の摂理に従うようにしてください。大霊の摂理こそが宇宙で最も偉大なもの
であり、唯一最高の権威あるものなのです」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.124/LB2~P.125/5
◆霊的真理の普及によって達成される人類史上“最大の宗教革命”
① スピリチュアリズムの霊的真理の普及にともない、地上の間違った宗教は消滅していく
真理によって魂の覚醒を起こした人が増えていく毎に、徐々に消えていきます
「勝利へ向けての波のうねりは止まりません。古い秩序が死滅し、新しい秩序と入れ替わりま
す。新しい世界は着実に到来しつつあります。が、新しい世界になったからといって暗い面
が完全に消え去ると思ってはいけません。涙を流すこともあるでしょう。心を痛めることも
あるでしょう。犠牲を強いられる局面も生じることでしょう」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.60/5~9
② スピリチュアリズム(霊界における唯一の宗教)が地上に確立するには、長い期間がかかる
(何百~何千年)
受け入れ時期は人それぞれのため、受け入れられた人から実践していくことで広がっていきます
③ スピリチュアリズムによる宗教革命の成功はすでに確定しているが、革命が完全に達成されるまで
は、地上界では悲劇や不幸や苦しみが続くことになる
「間違いなく言えることは、その新しい世界の種子がすでに地上界に根づいているということ
です。既得権力の座に安住している者たちがいかなる策を弄しても、それは功を奏さないで
しょう。イエスは “天に為される如く地にも為されるであろう” と二千年前に述べており
ます。それが実現しようとしているのです。
これから地上には、いくつもの大きな変化が生じます。崩壊や多くの大変動があるでしょ
う。皆さんには暗黒と苦難の時代の到来のように思えるかも知れません。“大変な時代になっ
た……“ と、おっしゃるかも知れません。しかし、そうした変動の背後には地上世界を進化
させようとしている大きな力が存在しているのです」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.66/9~P.67/1
「それがいつになるか――早いか遅いかは、人間が大霊から授かった“自由意志”をどう使うかに
よって決まります」
『シルバーバーチの教え(上)』 P.56/5~6
達成されるまでの期間は地上の人間自身によって変わります。個人の霊的成長と真理の普及にか
かっています。知識を得ても実践と普及がなければ進行しません。人間の自由意志の使い方次第
で宗教革命の成功がいつになるか決まります。
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