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神の摂理

前回、神観では「真実の神とは」、「神と私たち人間との関係とは」をみてきました。

真実の神とは ①創造主としての神

       ②大霊としての神(遍在する神)

       ③愛としての神(愛の始原)

       ④摂理としての神

       ⑤究極の理想としての神

 ①~⑤すべてを合わせたものが真実の神の姿です。

 この5つの神の定義のどれ一つとして欠けてはいけないのです。

 すべてを兼ね備えて真実の神と言えます。

 神は、まず最初に摂理を創られ、摂理を通しすべての存在、全生命、全宇宙を創造し、

 摂理を通し支配、管理、維持、運行しています。

 それは、神と人間の間には摂理が存在するということです。

 神と私たち人間は、摂理を介した間接的関係であるということです。 

 従来の地上の宗教は、この真実の神をわかっていませんでした。

 宗教は「摂理としての神」を理解できなかったため、神と人間は直接的関係だとしてきました。

「摂理としての神」という事実は、シルバーバーチによって初めて明らかにされました。

「スピリチュアリズムの説く信仰とは」を一言で表すなら「神と神の摂理に対する信仰」となります。

摂理はとても重要なことなのです。

シルバーバーチが霊界通信の目的を述べているところでも、摂理の重要性を語っています。

「私たちがお届けするメッセージには重大な目的があるのです。世界中の人間に例外なく宿る宇宙の大霊すなわち神の崇高な資質を顕現させることを目的としているのです。 まず第一に人生を支配する法則───物的生活、精神的生活、霊的生活を支配する法則の存在を説かなければなりません。続いて人生の目的、地上に生まれてきた理由、内部に宿る素晴らしい能力、潜在的神性、人間に為しうる貢献度、目指すべき理想的世界、身につけるべき知識、到達できる極致を理解させなければなりません」

                             『シルバーバーチの霊訓』(3)P120/5~10

 

(1)神の摂理による支配の完璧性・永遠性・不変性

    (神は摂理によって宇宙を創造し万物を支配・維持・運行されようとしました。まず最初に摂理を創ら

     れました。すべてのものを摂理を通して間接的支配としたのです。)

 ・摂理によるマクロからミクロに至る全存在物の支配

   (神の摂理の支配を受けない世界も存在物もありません。巨大な天体の運行から電子顕微鏡で見る分子の

    世界、あるいは微生物の生命活動すべてが自然法則によって支配されています。科学が新しい何かを発

    見をしたと言っても、それは永遠の存在の摂理の一部を知ったというだけに過ぎません。過去からずっ

    と存在し続ける自然法則の一つを発見したに過ぎません。

     神が創造された世界は、人間がこれまで知り得た範囲だけでなく、まだ想像もつかない人智の及ばな

    いところまでも摂理が支配し管理し維持され運行され続けています。)

 「人間がこれまで自然界で発見したものはすべて法則の枠内に収まること、自然界の生成発展も法則に

   よって支配され規制されていること、その全体に、人間の想像を絶した広大にして入り組んだ、それで

   いて調和した一つのパターンがあること、全大宇宙のすみずみに至るまで秩序が行き亘っており、惑星

   も昆虫も嵐もそよ風も、その他あらゆる生命活動が──いかに現象が複雑を極めていて──その秩序に

   よって経綸されていることを説いて聞かせます。そう説いてから私は、その背後の力、すべてを支えて

   いるエネルギー、途方もなく大きい宇宙の全パノラマと、人間にはまだ知られていない見えざる世界ま

   でも支配している奇(クシビ)な力、それを神と呼ぶのだと結びます」

                     『シルバーバーチの霊訓(3)』P197/1~9

「この複雑を極めた宇宙の生命活動のあらゆる側面において完璧な配慮が行きわたっております。例え

   ば極大から極微までの無数の形と色と組織を持つ生物が存在し、その一つ一つが完全なメカニズムで生

   命を維持している事実に目を向けていただけば、神の法則の全構図と全組織がいかに包括的かつ完全で

   あるかを認識されるはずです」  

                     『シルバーバーチの霊訓(3)』P199/3~8

 ・無数の摂理の支配がもたらす宇宙の完全な秩序と調和 

   (すべてのものが常に多くの摂理の支配を受けています。天体は天体自体を形成させる摂理が働きを受け

    ると同時に運行させる別の摂理の働きを受けます。天体は物質ですが、物質以上に複雑な生命体だと更

    に多くの摂理の支配を受けることになります。

    また、人間には自由意志があり摂理に反することを選ぶことができます。摂理に反することを選ぶとそ

    れに応じた別の摂理の働きを受けることになります。その別に摂理の働きにより、人間は最終的には時

    間がかかっても必ず摂理に沿う生き方をするようになっています。

    無数の摂理が、存在するすべてのものを完璧な秩序で支配し全体の調和を維持しています。)

「人間の目には外的な要因のように見えても、霊界から見れば内的な要因が働いているのです。人間はと

  かく宇宙の法則を何か生命の無い機械的な、融通性のないもののように想像しがちですが、実際は法則と

  法則との絡まり合いがあり、ある次元の法則が別の次元の法則の支配を受けることもありますし、その根

  源において完全にして無限なる叡知によって支配監督されているのです」

               『シルバーバーチの霊訓(5)』P.113/LB1~P.114/5

  「私が摂理の存在を口にする時、たった一つの摂理のことを言っているのではありません。宇宙のあらゆ

  る自然法則を包含した摂理のことを言います。それが完璧な型(パターン)にはめられております。ただ

  し、法則の裏側にはまた別の次元の法則があるというふうに、幾重にも重なっております」

               『霊的新時代の到来』P.143/8~12

「法則の裏側に別の次元の法則があり、そのまた裏側にさらに別の次元の法則があり、それらが複雑に絡

  み合っております。」

               『霊的新時代の到来』P.154/2~3

「どの法則も大法則の一部です。いずれも大霊の計画の推進のためにこしらえられたものですから、全体

  としての調和を保ちながら働きます。」

               『スピリチュアルな生き方 Q&A』P.204

「いかなる摂理も、全宇宙を包括する根源的な摂理の一面を構成しております。その一つ一つが大霊の計

  画にそって調和して働いております」

               『霊的新時代の到来』P.76/11~12

  ・神の摂理の永遠性と不変性 

   (人間の作った法律は時代や世相に合わせて変えられたり、追加されたりします。それは人間が未来に起

   こり得る事態を想定できず、すべてのことに対応できるように法律を作ることができないからです。

一方、摂理は全知全能の神が自ら創造された霊界宇宙におけるさまざまな事態に完全に適応できるように

   創られました) 

「霊的真理は不変の自然法則によって統制されている広大な宇宙的構想の一端であることを説きます。生

  命現象、自然現象、人間的現象のあらゆる側面と活動が、起こりうるすべての事態に備えて用意されてい

  る神の摂理によって完全なる統制下に置かれているということです」

               『シルバーバーチの霊訓(8)』P.157/3~6

「新たに法律をこしらえる必要性が生じることは決してありません。全法則が用意されているからです。

  宇宙の経綸にとって必要なものは今もすべて存在しますし、これまでも存在しましたし、これから先も間

  違いなく存在し続けます。大霊は全知全能ですから、あらゆる存在の相に必要なものはすべて予期してお

  られます」

               『シルバーバーチの霊訓(12)』P.62(13)

「摂理は無限の過去から存在していましたし、これからも無窮の未来まで存在し続けます。予期しなかっ

  た事情が生じて改めざるをえなくなることはありません。これまでの摂理では間に合わない新たな事態が

  生じるということも絶対にありません。その作用は完璧であり、停止することも、無効になることもあり

  ません。無限の知性によって考案されたものだからです」

                『シルバーバーチの霊訓(11)』P.89/6~9

  「人間の法律は機能しないことがあります。改められることもあります。人間の成長と発展に伴って視野

  が広がり、知識が無知をなくし、環境の変化に伴って新たな法令が要請されたりすると、従来の法律が廃

  止されたり別の法律と置きかえられたりすることもあります。しかし神の法則には新しい法則が付け加え

  られることは絶対にありません。改正もありません。解釈上の変化も生じません。いま機能している法則

  はこれまでもずっと機能してきた法則であり、これからも変わることなく機能していきます。一瞬の休み

  も無く機能し、そして不変です」

                 『シルバーバーチの霊訓(3)』P.71/7~LB1

  ・高級霊による神の摂理への讃美 

   (霊界では神の摂理の完璧性を認知し、その素晴らしさを讃美しています。)

(祈りから)

  「ああ、大霊よ。あなたは全生命の創造主にあらせられます。あなたの摂理は全生命を支える無限なる摂

  理であり、あなたの計画は宇宙の生命活動の全側面に配慮した完璧なる計画であり、そのすべてをあなた

  の愛が育んでいるのでございます。

   幾百億という数知れない生命現象をみせるこの宇宙にあっても、あなたの摂理が認知しないものは何ひ

  とつございません。その存在の扶養と維持と管理にとって不可欠のものは、すべて用意されております。

  各側面が全体の一部としての機能を果たしつつ、宇宙が一大調和体として活動するための手段も、すべて

  用意されているのでございます。その不変・不易にして絶対的な支配力を有する摂理に対して、わたしど

  もは深甚なる敬意を表します。なぜなら、この果てしなき宇宙にあっても、その摂理の範囲を超えて、い

  かなる事態も生じ得ないことを知っているからでございます」

               『霊的新時代の到来』P.132~133

  「大霊は無限の叡智であり、無限の愛です。我々の理解を超えた存在です。が、その働きは宇宙の生命活

  動の中に見い出すことができます。驚異に満ちたこの宇宙が、かつて一度たりともしくじりを犯したこと

  のない摂理によって支配され、規制され、維持されているのです。その摂理の働きは、一度たりとも間違 

  いを犯したことがないのです。変更になったこともありません。廃止されて別のものと置き換えられたこ

  ともありません。今存在する自然法則はかつても存在し、これからも未来永劫に存在し続けます。なぜな

  ら、完璧な構想のもとに、全能の力によって生み出されたものだからです。宇宙のどこでもよろしい、よ

  く観察すれば、雄大なものから極小のものまでの、ありとあらゆる相が自然の法則によって生かされ、動

  かされ、規律正しくコントロールされていることがお分かりになります。途方もなく巨大な星雲を見ても、

  極微の生命を調べても、あるいは変転きわまりない大自然のパノラマに目を向けても、さらには小鳥・樹 

  木・花・海・山川・湖のどれ一つ取ってみても、ちょうど地球が地軸を中心に回転することによって季節

  のめぐりが生じているように、すべての相とのつながりを考慮した法則によって統制されていることが分

  かります。種子を蒔けば芽が出る――この、いつの時代にも変わらない摂理こそ、大霊の働きの典型です。

  大霊は絶対にしくじったことはありません」

               『霊的新時代の到来』P.198~P.200

 

(2)神の摂理(法則)による宇宙・物質界の創造と支配

  ・過去から永遠の未来にわたって存続する神の法則  

「大霊の法則は無窮の過去から存在し、無窮の未来まで存在し続けるということを理解していません。地

  上人類が新しい法則を発見したといっても、それは性能のよい器械の発明によって、それまで知らなかっ

  た宇宙の生命活動の一端を知ったというだけで、人間が新しいものを創造したというわけではありません。

  もともと存在していたものを見つけ出したに過ぎません」

              『シルバーバーチの教え(上)』P.148/LB3~P.149/2

  ・物理法則とは、神が定めた「物質次元の摂理」のこと 

   (地上で新たな発見があると大騒ぎしますが、神がすでに用意されていたものでしかありません。

    有名な「万有引力の法則」は、物質世界を支配する摂理の一つです。 引力のない霊界にはありません)

  ・摂理による宇宙・物質世界の創造 

 

(3)神の摂理(法則)による生物の創造と支配

  ・物質体と生命体の違い 

   (死体と生きている人間を構成する元素は全く一緒ですが、しかし大きな違いがあります。

   死体は単なる物質で時間の経過とともに元素は分解され物質界に吸収されていきます。

   死体は物質ですが生命体はただの物質ではありません)

  ・「生命法則」による生命活動 ----- “代謝と生殖” 

   (生命体とは物質が生命活動していることです。そのために外部からエネルギーを取り入れ内部で必要な

   ものを摂取し不要物を体外に排出しています。それがエネルギー代謝です。同時に種の保存が本能的に行

   われます。)

  ・物理法則が証明する物質体と生命体の違い ------「エントロピー増大の法則」が意味するもの

   (「エントロピー増大の法則」とは、物質(物理)法則の一つです。エントロピーとは無秩序・乱雑さを

    意味しており、エントロピーの増大とは無秩序・乱雑さが増していくことです。

   「エントロピー増大の法則」とは、物質は時間とともに秩序ある存在から無秩序の存在が増えていくとい

   う法則です。さまざまな物質は永遠に形を保ち続けることはできません。

   自然界の木や岩や人間が作り出した製品さえも長い年月で姿を変えていきます。劣化といわれる現象で物

   質は時間の経過とともに崩壊していきます。

   物質は約90ある元素のさまざまな結合の仕方で造られていますが、使われる元素の種類と数と結合の並び

   など結合の仕方が無数に存在します。

   エントロピーの増大の法則とはその結合した元素が結合前のもとに戻るということです。

   しかし、逆にさまざまな素材となる元素を並べても、勝手に何かを作り出すことはできません。

   外部からの働きかけエネルギーを加えなければ新たな物質を作り出すことはできません。

   宝石にはダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどさまざまな種類があります。

   色や美しさはさまざまです。宝石も素材となる元素の種類と数と結合の仕方によって変わるのです。

   しかし、元となる元素を並べておいても宝石にはなりません。そこに圧力と熱が必要になります。

   長い時間を経て、美しい石が誕生します。圧力と熱という外部からの働きかけエネルギーがあってこそ

   宝石が生まれるのです。

    ではさらに複雑な構造の生命体ではどうでしょうか。

   物質と同じような圧力や熱や水分や日光といったエネルギーを外部から与えても生命体は誕生しません。

   物質のように生命体の誕生を説明することができません。

   人間の身体は、死後腐乱して元素となり自然界へかえっていきますが、新たな生命をただの元素から造る

   ことはできません。唯物論では地球に偶然が重なり人類が誕生したと考えますが、偶然に高度な秩序を持

   つ生命体を作り出すことはできないのです。

   そこに人間の想像外の何らかの力が外部から働き、人間が創造されたと考える方が自然と言えます。 

 

(4)神の摂理(法則)による人間の創造と支配

  ①人間と動物との根本的な違いとは

   ・動物と人間の共通性と相違性 

    植物と動物の違いは、一つは自ら移動できるかできないか、二つ目がエネルギー確保が能動的か受動的

    かどうかです。

    あえて説明することではありませんが、上記の2点からみても人間は生物学的には動物の一種です。

    哺乳類となると身体的な構造内臓の配置など肉体的な共通性が多々あります。

    しかし、能力においては格段に違います。

    神は低次元の生命体から高次元の生命体を創造されました。人間が最後に創造された生命体です。

    その最後の生命体に知性と理性を付与されました。人間はその知性と理性によって言語を発達させ道具

    を作り火を扱うことで生活を豊かにし文明を発展させてきました。

   ・動物と人間の本質的な違い-----「霊的要素」の有無 

    なぜ人間にだけ高い知性と理性が備わっているのでしょうか。

    唯物論や進化論では脳の発達により知性・意識・精神を生み出したという説ですが、シルバーバーチは

    神から人間だけが与えられた霊的要素「霊の心・分霊」だと説いています。 

   人間だけに与えられた「霊的要素」があるからこそ、私たち人間は進化成長しながら永遠に存在し続ける

   ことができるのです。

   「ただの禽獣(きんじゅう)と異なるのは、その霊性です。同胞に有徳の行為をしたいと思わせるのも、

   その霊性です。自分を忘れ、人のためを思う心を抱かせるのも、その霊性です。少しでも立派になろう

   と心掛けるようになるのも、その霊性のお蔭です。良心の声が聞こえるのも霊性があるからこそです。

   あなたはただの物質ではありません。霊なのです。この全大宇宙の運行と、そこに生活する全生命を経

   綸している力と同じものなのです」

                    『地上人類への最高の福音』P.219/8~LB4

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