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摂理観

摂理観(1)

◆シルバーバーチの神観の最大の特色―――「摂理の神」(シルバーバーチが明らかにした画期的な神観) 

 神を正しく知る上で最も大切な内容が摂理です。地上のどの宗教も説くことがなかった内容です。 

 まず、地上の私たち人間は神をどのように捉えているのでしょうか。 

  「残念ながら地上の大部分の人間にとって、神はどうしても人間に似た存在とならざるを得ません。

   個的形態を具えていない存在というものが想像できないのです。しかし神は、あなた方が想像する

   ような個的存在ではありません。あなた方が存在するような人物的存在ではありません」

        『シルバーバーチの霊訓』(11)P.107/LB2~P.108/2

  「私たちは大霊(神)とは何かを明らかにしようとしていますが、それは摂理を通して大霊を明らか

   にすることにほかなりません。私たちは、大霊の摂理をお教えしようとしているのです」

        『シルバーバーチの教え』(上)P.105/4~6

①神は摂理を通してすべてを支配している

  ・神は摂理を創り、その摂理によって被造世界(霊界・宇宙)と全被造物(万物・全生命体・人間)を

   創造し、支配している 

  ・被造世界(霊界・宇宙)と全被造物(万物・全生命体・人間)は、神の摂理によって創造され、存在を

   維持し、運行している 

  (神は最初に摂理を創られ、摂理を通して被造世界と被造物を創造され、その存在を支配・維持・管理・

   運行しています)

②神の摂理は永遠に存在し続け変わらない 

  (追加・変更・廃止など過去にも未来にもありえない)

 ・一切の例外なし、機械的な支配(人間の感情の入り込む余地はない)

  (人間の希望や願い願望は誰一人通じません。いかに位の高い宗教家聖職者と呼ばれる人であろうが、

   どんな権力者であろうが、すべてが同じように公平平等に支配され扱われています。人間は常に神に

   特別扱いや恩寵を望んできましたがそういったことは一切ありません。摂理に適った行為、摂理に反

   した行為は必ずそれ相応のものが自分に戻ってきます。

   そしてその摂理は突発的な事情で変わることはありません。地上の法律のように修正や廃止追加変更

   など一切ありません)

  「私が認めているのは大霊の法則だけです。人間の法律は認めていません。人間がつくった法律はいつか

   は改めなければなりませんが、大霊の法則には決してその必要はありません」

            『シルバーバーチの教え』(下)P.117/8~10

③永遠の霊的真理とは神の摂理のこと   

  (真理という言葉は、⑴本当の事 ⑵間違いでない道理 ⑶正しい知識といった意味です。

   宗教でも真理という言葉を使います。宗教においての意味は、教義や教えのことを指します。

   宗教は霊界からのインスピレーションを教祖が受け取ることから始まります。この時点では、真理と

   呼ぶに相応しい教えです。しかし、時間とともにさまざまな人間(宗教組織を運営する人など)の思

   惑から人工的に作り変えられたり、教祖を神格化するために勝手に付け足したりなどして本来の真理

   から姿を変えたものが教義となっています。このように宗教で使われる真理は、本来の真理が変えら

   れていくのです。しかし、神の摂理は絶対に変わることも追加されることもありません)

  「私たちとしては、永遠の霊的真理をお教えすることしかできません。なぜなら、霊的真理だけが、物的

   なものが崩壊しチリとなったあとも存在し続けるからです。物的なものだけに目を奪われている者は大

   きな過ちを犯しています。幻影を追いかけ、永遠の実在を忘れているからです。霊的真理といっても

   至って単純なことばかりです。なのに地上界の人間は、今だに真理を理解していません」

            『シルバーバーチの教え』(上)P.105/LB5~LB1

④摂理の完璧性は、神の完全性と全知全能性の反映

  (狂うことなく一切の例外なく働く完璧な摂理を創られた神は完璧です)

  ・摂理を通して、神の全知全能性と完璧性を知ることができる 

     (摂理の完璧性をみることで神の完璧性を知ることができます)

  ・摂理を通して、神の姿の一端を垣間見ることができる(摂理を見た=神を見た)

     (摂理は神の一部である知性によって創られました。摂理を一つ理解できたということは神の一部

      を理解できたことにつながります)

   「大霊とは摂理(法則)であり、あらゆるものを支配しています。摂理に関わりなく生じるものは何

    一つ存在しません。地震、雷、嵐――こうしたものについてどのように理解すべきか地上人が頭を

    悩ませていることは、私もよく承知しております。しかし、それらはすべて摂理の支配下にある宇

    宙の一部なのです。宇宙は、そこに生を営む者と同じように進化しています。物質界は、まだ完全

    からほど遠いものであり、完全に至ることはありません」

           『シルバーバーチの教え』(上)P.79/4~9  

   「物的世界は、他のすべての世界と同じく、絶対不変の摂理によって支配されております。その摂理は

    無限の過去から存在していましたし、これからも無窮の未来まで存在し続けます。予期しなかった事

    情が生じて改めざるを得なくなることはありません。これまでの摂理では間に合わない新たな事態が

    生じるということも絶対にありません。その作用は完ぺきであり、停止することも、無効になること

    もありません。無限の知性によって考案されたものだからです。生命の存在するところには必ず摂理

    が働いております。原因には必ず結果が生じます。タネ蒔きには刈り取りが付随します。その因果関

    係に干渉して、生じるべき結果を変えてしまうような力をもつ存在はありません。

    地上世界のどこで何が起きようと、それも摂理のもとに生じています。突発事故も偶然の出来事もあ

    りません。大自然の摂理はありとあらゆるものを包摂しております。こうした事実は、その背後に崇

    高なる知性が存在してそれが摂理を生み出し、万物の全側面と全活動を維持・管理していることの証

    ではないでしょうか」

           『シルバーバーチの霊訓』(11)P.89/5~P.90/1

  「驚異に満ちたこの宇宙が、かつて一度たりともしくじりを犯したことのない摂理によって支配され、規

   制され、維持されているのです。その摂理の働きは、一度たりとも間違いを犯したことがないのです。

   変更になったこともありません。廃止されて別のものと置きかえられたこともありません。いま存在す

   る自然法則はかつても存在し、これからも未来永劫に存在し続けます。なぜなら、完ぺきな構想のもと

   に、全能の力によって生み出されたものだからです。宇宙のどこでもよろしい、よく観察すれば、雄大

   なものから極小のものまでの、ありとあらゆる相が自然の法則によって生かされ、動かされ、規律正し

   くコントロールされていることがお分かりになります。途方もなく巨大な星雲を見ても、極微の生命を

   調べても、あるいは変転きわまりない大自然のパノラマに目を向けても、さらには小鳥・樹木・花・海・

   山川・湖のどれ一つ取ってみても、ちょうど地球が地軸を中心に回転することによって季節のめぐりが

   生じているように、すべての相とのつながりを考慮した法則によって統制されていることが分かります。

   種子を蒔けば芽が出る――この、いつの時代にも変わらない摂理こそ、大霊の働きの典型です。大霊は

   絶対にしくじったことはありません。あなた方が見放さないかぎり、大霊は決してあなた方を見放しま

   せん。わたしは、大霊の子すべてに、そういう視野をもっていただきたいのです」

           『霊的新時代の到来』P.199/3~P.200/3

  「今あなたは神を大自然の法則と同一視しているとおっしゃいました。しかし神は大自然の法則より、

   もっと大きい存在です。なぜなら、その法則を支配しているのが神だからです。神とはその自然法則と

   同時にそれが作動する仕組みをもこしらえた無限なる知性です」

           『シルバーバーチの霊訓』(11)P.107/10~LB3

  「私にとって神は永遠不変にして全知全能の摂理としての宇宙の大霊です。私はその摂理にいかなる不完

   全さも欠陥も不備も見つけたことがありません。原因と結果の連鎖関係が完璧です」

           『シルバーバーチの霊訓』(3)P.191/1~3

  「聖なる創造主、王の中の王、全生命の背後の無限なる知性にあらせられるあなたを、わたしたちは在る

   がままのお姿、すなわち完全なる摂理として説き明かさんとしております」  

           『霊性進化の道しるべ』P.158/10~12

  「わたしたちはあなたを完全なる愛と叡智の権化として啓示いたします。それが完全なる摂理の働きを通

   して顕現しているのです。その摂理の中に、子等が生命の充実感と豊かさと限りない恩寵を見出すよう

   にとの、あなたの深遠なる配慮がなされているのでございます」   

           『霊性進化の道しるべ』P.159/4~7

◆神と人間の関係の大原則―――摂理を介した間接的関係

  ①神と人間は、摂理を介した間接的関係(神と人間の関係性の大原則)

   (どの人間にも神は摂理として映ります。ではなぜ、神は"摂理を通しての関係"を持とうとしたのか。

    それは、すべての人間が幸せになれるように幸せになれる道を用意されたのです。摂理にそった生き

    方をした者は誰もが必ず幸せになれるという道です)

   ・これまでの宗教や信仰者が信じてきたような神の直接的関与はない

   (摂理の前ではすべての人間が公平・平等に扱われ、奇跡や特別扱い、恩寵、えこひいきはありません)

  ②摂理の支配を人間サイドから見ると、神は常に摂理として映る 

    (神からの直接的回答は得られません)

   ・機械的に支配する冷たい神(冷たい摂理の背後には神の温かい愛が存在する)

  「神は絶対にごまかされません。法則は法則です。原因はそれ相当の結果を生み、自分が蒔いた種子は自

   分で刈り取ります。そこに奇跡の入る余地もなければ罰の免除もありません。摂理は一分一厘の狂いも

   なく働きます。不変・不易であり、数学的正確さを持って作用し、人間的制度にはお構いなしです」

          『シルバーバーチの霊訓』(1)P.82/3~6

  「発生した原因は数学的・機械的正確さを持って結果を生み出します。聖職者であろうと、平凡人であろ

   うと、その大自然の摂理に干渉することはできません。霊的成長を望む者は霊的成長を促すような生活

   をするほかはありません」

          『シルバーバーチの霊訓』(4)P.25/2~4

  「ご承知の通り、私も何千年か前に地上でいくばくかの人間生活を送ったことがあります。そして死後こ

   ちらでそれよりはるかに長い霊界生活を送ってきましたが、その間、私が何にも増して強く感じている

   ことは、大自然の摂理の正確無比なことです。知れば知るほどその正確さ、その周到さに驚異と感嘆の

   念を強くするばかりなのです。一分の狂いも不公平もありません」

         『古代霊は語る』P236/10~LB3

 ③神は摂理を通してすべてを支配 

  ・人間をはじめとする被造物・被造世界すべての存在を把握

  ・神の認識から外れて忘れ去られている人間・存在はない

   (いらない存在や不幸になってもいい存在はありません。神はすべてが幸せになってほしいと願って

    います。人間だけでなく動物も植物もです)

  「すべての人間、すべての事柄が自然の摂理によって規制されております。それには手落ちというものが

   なく、数学的正確さをもって働き、絶対に間違いを犯しません。宇宙間のありとあらゆる存在がその中

   に包摂されていますから、何一つ、誰一人として排除されたり忘れ去られたり無視されたりすることが

   ないのです。壮大なものから微細なものに至るまで、単純な物から複雑なものに至るまで、あらゆる存 

   在を自然の摂理が支配し支え規制しているのです」 

           『シルバーバーチの霊訓』(11)P58/8~LB2

 ④「摂理の神」とは「大霊としての神」

  ・神の摂理による支配と影響力は、宇宙・霊界とそこに住むすべての意識体・生命体に及んでいる

    →神は万物の内側と外側に遍在している(大霊としての神)

  「大霊とは宇宙の自然法則のことです」

          『シルバーバーチの教え』(上)P.76/6

  「大霊は、あらゆる生命体に充満しています。あらゆるものに内在し、あらゆる法則に内在しています」

          『シルバーバーチの教え』(上)P.76/LB4~LB3

  「人間が《神》と呼んでいるのは、宇宙の自然法則のことです。大霊(神)は大霊は万物に内在していま

   す。すべての存在物が大霊であると言えるのです。魂はそれ自身のことを知っていますから、大霊は魂

   のことを知っていることになります。スズメも大霊ですから、大霊はスズメを知っていることになりま

   す。大霊は風にそよぐ木の葉の中にも内在しますから、木の葉は大霊であると言えます。

   地上界の全て、霊界の全て、宇宙の全て、そしてまだあなた方に知らされていない世界のすべてが、大

   霊の法則の絶対的な支配の中にあるのです。その法則から離れて何一つ生じません。全てが法則の範囲

   内で発生していますから、大霊は全てを知っていることになります」

          『シルバーバーチの教え』(上)P.77/5~LB2

  「大霊による直接の関与などというものは絶対にありません」

          『霊的新時代の到来』P46/10

  「神とは摂理のことです。究極においては慈悲深い配慮が行きわたっておりますが、そこに至る過程にお

   いては日照りの日もあれば雨の日もあり、雪の日もあれば嵐の日もあり、穏やかな日もあれば雷鳴の轟

  (とどろ)く日もあり、酷暑の日もあれば酷寒の日もあり、それがすべて法則によって支配されているの

   です」

          『地上人類への最高の福音』P47/LB2~P48/2

  「神は万物の内側にも外側にも存在しています。神から離れては誰一人存在出来ません。神から切り離さ

   れるということがありえないのです。あなたの中にも存在しますし、雨にも太陽にも花にも野菜にも動

   物にも、その他いかに小さいものでも、存在を有するかぎりはすべてのものに宿っているのです」

          『シルバーバーチの霊訓』(11)P108/LB5~LB2

  「大自然の摂理の働きは完ぺきですから、その機構の中にあって誰一人、何一つ忘れ去られることは有り

   えないのです。すべての存在を包摂するように完全な摂理が行きわたっているのです。何一つ、誰一人

   その外にはみ出ているものはありません。あなたが神に見落とされるということは有りえないのです。

   どこにいても神の管理下にあり、すべてを包摂する自然の摂理の活動範囲の中にあります」

          『シルバーバーチの霊訓』(11)P115/4~8

11)P115/4~8

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