top of page

シルバーバーチの霊界通信

【シルバーバーチの教え】

  シルバーバーチの交霊会は、1920年ごろに開始され霊媒であるモーリス・バーバネルが肉体の死を迎えるまで

  続けられました。

  正式に記録が取られるようになったのは、ハンネン・スワッファーが参加しハンネン・スワッファー・ホームサークルと

  して定期的に交霊会が行われるようになった1930年以降です。

  その8年後の1938年に 『Teachings of Silver Birch』 が、A・W・オースティンによって刊行されました。

  A・W・オースティンは、ジャーナリストで霊媒のモーリス・バーバネルが編集長を務めるサイキック・ニューズ社創設時

  のメンバーでした。

  霊的知識がほとんどないままサイキック・ニューズ社に入社しましたが、交霊会に参加するうちに霊的真理の理解を

  深めていき、 『Teachings of Silver Birch』 をまとめ上げたのです。

  それが、『シルバーバーチの教え』(スピリチュアリズム普及会) です。

  A・W・オースティンは、『シルバーバーチの教え(上)』の「編者まえがき」に、この本の編集に関してこう書いています。

  (P.9/LB1~P.10/L3)

  「各章に掲げたテーマに関して、数多くの交霊会での霊言から適切なものを拾って編纂した。と言うことは、各章が一

  つの交霊会(の速記録)をそのまま文章におこしたものではなく、30回ないし40回の交霊会でのシルバーバーチの霊

  言からの抜粋で構成されていることをご承知いただきたい」

  A・W・オースティンの幅広いテーマを伝えたいとの思いから、内容が多岐にわたりさまざまな事柄を取り上げ、

  シルバーバーチの多くの言葉がコンパクトに編集されているのが特徴です。

  このような編集ができたのは、彼のもつ高い編集能力と霊的真理の深い理解があったからです。

  霊媒であるモーリス・バーバネルとシルバーバーチの交霊会を主宰したハンネン・スワッファーと同じように、彼もまた

  霊界から導かれた人材だったことがわかります。

  自分の才能を人類のために活用し、霊的真理(霊訓)を世に送り出すために必要な人材だったのです。

  シルバーバーチの交霊会を別の言葉に置き換えると、シルバーバーチからの霊界通信です。

  その霊界通信の目的は、埋もれてしまった霊的真理を再び地上に生きる人間に伝えるためでした。

  霊的真理で私たちを救うことが目的だったのです。

  その内容は、シルバーバーチという一人の霊の考えではありませんでした。

  「皆さんは今、霊界での審議会で用意された叡智がこのわたしを通して届けられるのをお聞きになっていらっしゃる

   のです」             『霊性進化の道しるべ』P.238/L6~L7

  「私は、この地上へ私を派遣した高級霊団のマウスピースに過ぎず、私という一個の存在としての栄誉とか褒章を求

   める気持ちはみじんもありません」        『シルバーバーチの教え』(上)P.27/7~9

  「私の役目は、私が所属する霊団からのメッセージをお届けすることです。この霊媒と私自身の力量の範囲内で受け

   取ったものを、忠実に伝達する努力を続けてまいりました」   『シルバーバーチの教え』(上)P.27/LB3~LB1

   今私たちが手にしている 『シルバーバーチの教え』 をはじめとするシルバーバーチの霊的真理は、すべてイエ

   スを中心とする高級霊団から送られてきた叡智なのです。

  「イエスはその後も私たちの世界に存在し続けております。イエス直じきの激励にあずかることもあります。ナザレの

   イエスが手掛けた仕事の延長ともいうべきこの (スピリチュアリズムの名のもとの) 大事業の総指揮に当ってお

   られるのが他ならぬイエスであることも知っております」     『シルバーバーチの霊訓』(3)P.104/10~LB3

【シルバーバーチの交霊会】

  次に、シルバーバーチの霊界通信のスタートの様子と感想を、それぞれの重要人物の言葉からみていきます。

  (霊媒 モーリス・バーバネル)

  遺稿「シルバーバーチと私」  『スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ』P.257/L1~L5

  「数人の友人が私を交霊会なるものに招待してくれたことがあった。もちろん初めてのことで、私は大真面目で出席し

  た。ところが終わって始めて、それが私をからかうための悪ふざけであったことを知らされた。そんなこともあって、

  たとえ冗談とはいえ、十代の私は非常に不愉快な思いをさせられ、潜在意識的にはスピリチュアリズムに対し、む

  しろ反感を抱いていた」

    バーバネルは友人たちの仕組んだ偽の交霊会によって、スピリチュアリズムに対し偏見を持ってしまいました。

    しかし、そんな反感を持つバーバネルが本物の交霊会に参加することになります。

   P.258/LB3~P.259/2

  「サンダース氏は私を近くで開かれているホームサークルへ招待してくれた。定められた日時に、私は、当時婚約中

  で現在妻となっているシルビアを伴って出席した。行ってみると、そこはひどくむさ苦しいところで、集まっているのは

  ユダヤ人ばかりだった。若い者も老人もいる。あまり好感はもてなかったが、まじめな集会であることは確かだった」

   この交霊会は、いろんな国籍の霊が話す異言という心霊現象でした。バーバネルは、話しているのが死者であると

   いうことを得心させる証拠が見当たらなかったため、この文章の続きに何の感慨もなかったと書いています。

   2回目の参加 入神した時の感想

    P.259/L9~LB5

  「再び同じ交霊会に出席して、同じような現象を見た。ところが会が始まって間もなく、退屈からか疲労からか、私は

  うっかり“居眠り” 初めての入神をしてしまった。目を覚ますと私はあわてて非礼を詫びた。ところが驚いたことに、そ

  の“居眠り”をしている間、私がレッド・インディアンになっていたことを聞かされた」 

    スピリチュアリズムに偏見を持ち反感を抱いていましたが、本物の交霊会に参加しています。バーバネル本人の

    強い希望だったわけではなく、また無理やりではありません。本人にすれば、成り行きで参加することになったと

    思っていましたが、実は背後で導きと霊界の綿密な計画がありました。 

    その後霊媒としての役目を果たしていくことになりますが、初めの内しばらくは嫌々だったそうです。バーバネル

    本人が入神状態に好感がもてなかったからでした。

   P.260/6~8

  「初めのうち私は入神状態にあまり好感が抱かなかった。それは多分に、私の身体を使っての言動が私自身に分か

  らないのは不当だ、という生意気な考えのせいだったのであろう」

  次に、交霊会初参加も2回目も同席していたシルビア・バーバネルの視点です。

  (妻 シルビア・バーバネル)

    『シルバーバーチの霊訓(7)』P.4/L6~LB5

   「私たち夫婦は、あるスピリチュアリストの招きで、ロンドンでも貧民層が集まっている地域東部の移民の多い地区

   のある家で開かれている交霊会に出席した。第一回目の時は女性霊媒を通じていろんな国籍の霊がしゃべるのを

   聞いて主人はあほらしいといった気持ちしか抱かなかったが、第二回目の時にいきなり入神させられ、何やらわけ

   のわからないことを喋った。その時はシルバーバーチとは名乗りませんでしたが、今のシルバーバーチと同じ霊で

   ある。そのころはぎこちない英語、どうにか簡単な単語をつなぐことしか出来なかった」

     バーバネルの自覚は全くない状態で入神した様子がうかがえます。当然シルバーバーチや霊界側の意図は

     まったくわかりませんでした。そして、シルバーバーチ自身はまだまだ霊媒を使いこなせていなかったこともわ

     かります。 

  (ハンネン・スワッファー)

    『シルバーバーチの教え(上)』P.13/LB2~P.14/L10

   (序文 ハンネン・スワッファー)

   「シルバーバーチの地上への最初の働きかけは普通より少し違っていた。ある日、十八歳の無神論者の青年が、

   ロンドンの貧民街で行われていた交霊会にひやかし半分の気持で出席した。そして霊媒が次々といろいろな言語

   でしゃべるのを聞いて、青年は思わず吹き出してしまった。ところがその中の一人の霊が、『そのうちあなたも同じ

   ようなことをするようになりますよ』と諌(いさ)めるように言った。

    その日はバカバカしいという気持で帰ったが、翌週、再び同じ交霊会に出席したところ、青年は途中でうっかり居

   眠りをしてしまった。目覚めると慌てて非礼を詫びたが、すぐ隣に座っていた人が、『今あなたは入神しておられた

のですよ』と言ってから、こう続けた。 『入神中にあなたの指導霊が名前を名乗り、《今日までずっとあなたを指導

   してきたが、近いうちにスピリチュアリストの集会で講演するようになる》と言っておられました』と。

    これを聞いてその青年(モーリス・バーバネル)はまた笑い飛ばしたが、間もなくそれが現実となった」

     モーリス・バーバネルの初めての交霊会参加の感想を、妻シルビア・バーバネルの言葉からみると、「主人は

     あほらしいといった気持ちしか抱かなかった」とあり、またハンネン・スワッファーの言葉からは、「バカバカしい

     という気持ちで帰った」とあります。

     モーリス・バーバネルの遺稿では、「何の感慨もなかった」とありますが、本心はこちらの方なのかもわかりませ

     ん。

   最後に、

   (シルバーバーチ)

    『シルバーバーチの教え(上)』P.23/LB5~LB3

   「ある日、私は周到な準備のもとに初めて彼を交霊会へ出席させ、彼の口を使って私の意思を発言してみました。

   いかにもぎこちなく、内容もつまらないものでしたが、私にとっては実に意義深い体験だったのです」

   霊媒のモーリス・バーバネルにとって冷やかし半分で成り行きでの交霊会参加は、実は霊界側の周到な準備のもと

   導かれたもので、ただの居眠りだと思っていたものは、霊媒としてのデビューでありシルバーバーチにとっては意義

   深い体験だったということでした。

   このように、霊媒としてのデビュー(初めてのシルバーバーチの霊界通信)は、三者三様の思いだったことがわかり

   ます。

   周到な準備をする霊界側と地上人側の感想の違いは、今の私たちにも通じるものがあります。

   私たちが何気なく選択していることや、人との出会い、ひらめいたアイディアなど、普段は意識できませんが霊界か

   らの導きや働きかけがあるということです。

   こうしている今もです。

最新記事
アーカイブ
タグから検索
bottom of page