人間とは
◆人間の構成◆ 人間は何で構成されていますか。 多くの人は、肉体と精神(心)と、答えるのではないでしょうか。 物質である肉体は、解剖学や生理学や医学などの発展に伴い多くのことがわかっています。 視覚や触覚といった五感で確認することができ、機器などで計測できます。 しかし、精神(心)については、まだ解明できていないことが多く、心理学や精神医学といった学術的なものや哲学や思想的なものも含めてさまざまな捉え方をしています。 いろいろな視点で精神(心)を説いてますが、今まで人間を霊的視点で捉えてきたものはありませんでした。人間がどのような存在なのかを、霊的真理から学んでいきます。 <1>2つの身体・・・・肉体と霊体 人間は、目に見える肉体と霊体の2つを持っています。 この2つの身体は、同じ形大きさで重複して存在してます。 生きている私たちは2つの身体を持っているのです。 一方、死んだ人というのは肉体を脱ぎ捨てて霊体だけになります。 五感しか働かない私たちは、霊体を認識できないために、生きている人(自分自身)の霊体も死んだ人の霊体も見ることができません。 「あなたも今のこの時点において立派に霊的存在なのです。死んでから霊的存在となるのではありません。死んでから霊体をさずかるのではありません」 『シルバーバーチの霊訓(7)』 P.29/L5~L6 <2>5つの構成要素 霊体と肉体の2つの身体の他に、何があるでしょうか。 精神・心・意識といわれるものは、誰もが存在を認めています。 死後は、精神(心)もなくなると思う人やどこか薄ぼんやりとどこかに存在していると思う人もいます。 霊的真理では、心も身体と同じように2つあるといいます。 肉体本能と言われる肉の心と霊的意識の霊の心です。 肉の心とは、自分自身を優先的に考える利己的な心と言えます。 それに対して、霊の心は利他的な心です。 では、霊の心はどこから生まれているのでしょうか。 それは、人間の本体・本質である霊からです。 このように私たち人間は、肉体と霊体、肉の心と霊の心と霊からできているのです。 それは大きく分けて2つの要素になります。 物質的要素・・・肉体、肉の心 霊的要素・・・・・霊体、霊の心、霊 今まで、人間の中に霊的要素があることをわかっていませんでした。 霊が人間の本体であるなら、霊的要素が優位になるような生き方が本来の生き方です。 それは、摂理(霊的真理)に適った生き方ということです。 「すべての人間の内面では、常に“人間臭いもの”と“神性を帯びたもの”との間で葛藤があります。後者が勝てば大霊と一体となった喜びを味わいますが、前者が勝ったときには霊性が低下します」 『シルバーバーチの教え(上)』 P.116/L1~L3 ◆「霊」と「霊の心」とは◆ 「霊」とは、人間の核で人間の本体(本質)です。 神が自らの一部を与えたもので、神の分霊です。 「霊の心」は、「霊」を知性・感情・意志として表現します。 (人間の本体を、霊の心によって表現しているのです。) 「霊」を取巻くように存在するのが「霊の心」です。 人間の最も奥深いところに存在するものが「霊」です。 私たち人間は、「霊」を中心とする霊的存在なのです。 神から神の一部(分霊)与えられた人間は、永遠の個別性を持つ霊として存在することになりました。 そして、霊的成長(進化向上)のプロセスの中で神に近づいていきます。 すべての人間は、神に分霊を与えらた存在です。 それは、人間は神の子どもであり、神と人間が親子関係にあるということです。 さらに、全人類は神を共通の親とする霊的兄弟姉妹であり、霊的一大家族なのです。 「一人でも多くの人に、正しい視野をもっていただき、自分自身の本当の姿を見つめるようになっていただきたいのです。自分というものを肉体だけの存在、あるいは、せいぜい、霊をそなえた肉体だと思い込んで いる人が、まだまだ多すぎます。本当は肉体をそなえた霊的存在なのです」 『霊的新時代の到来』 P.198/L10~LB4 「あなたがたお一人お一人がミニチュアの神なのです。お一人お一人の中に神という完全性の火花、生命のエッセンスである大霊の一部を宿しているということです。その火花を宿しているからこそ存在できているのです」 『最高の福音』P.165/L6~L9 「あなた方は永遠の存在であることを自覚してください。生命の旅路においてほんの短い一時期を地上で過ごしている巡礼者に過ぎません。」 『シルバーバーチの霊訓(12)』P.206 ◆「心」「意識」とは◆ <1>2つの心 地上の人間には「霊の心」と「肉の心」の2つの心があることがわかりました。 死によって肉体をなくすと同時に「肉の心」は消滅します。 死後も思考し意識が存在するのは、「霊の心」があるからです。 多くの人は、心(情や意識)は脳が作り出すと思っていますが、脳から発生するだけではありません。 「霊の心」=霊的意識 「肉の心」=肉体本能的意識 この2つを、「自分の心」と感じているのです。 しかし、「自分の心」として自覚している霊的意識は、脳を通してもたらされる霊的意識の一部なのです。 大半部分は潜在意識の中にあります。 肉体を持っている地上の人間は、霊的意識の大半を自覚することができないのです。 実は、本当の自分を知らないのです。 自分だと認識しているのは、本来の自分の一部分だったのです。 「物的身体を通して知覚した、ごくごく小さな一部分しか意識しておられません。が、本当のあなたは、その身体を通して顕現しているものより、はるかに大きいのです」 『スピリチュアル・メッセージ』P.187/L5~L8 <2>潜在意識の働き 潜在意識には、地上人生で入手した、あらゆる知識や情報が記憶されています。 同じように地上人生で行ったすべての行為(言動や思考)がしまい込まれています。 さらに、前世に関する情報や睡眠中の情報(幽界での体験など)が蓄えられています。 それらすべてを思い出すのは、 肉体(脳)をなくした死後です。 本来の自分を認識できるようになります。 「あなた方の物質界においては自我のすべてを意識することはできません。なぜならば――あなた方に分かりやすい言い方をすれば――自我を表現しようとしている肉体(脳)よりも本来の自我の方がはるかに大きいからです。小は大を兼ねることはできません。弱小なるものは強大なるものを収容できないのが道理です。人間は地上生活を通じて、より大きな自我のホンの一部しか表現しません。大きい自我は死んでこちらへ来てから自覚するようになります」 『シルバーバーチの霊訓(4)』 P.155/L4~L9 ◆死後の人間の身体と心◆ 物質的要素と霊的要素を持つ人間は、死後どのように変化するのでしょうか。 ・死によって、肉体と肉の心(肉体本能)は消滅します。 ・死後は、霊的要素だけで生活します。(霊体・霊の心・霊) ・死後も、知性・感情・意志という「心」を持って活発に精神活動を行います。 ・死によって、地上時代の障害(身体障害・精神障害)はなくなります。 死によって物質的要素がなくなり、霊的要素だけの存在になります。 死は、地上時代の私たちを苦しめてきたさまざまなものから解放してくれます。 肉の心がなくなり、霊主肉従の葛藤は霊界ではありません。 不自由を強いてきた障害から解放され、自分を思いっきり表現できます。 そして、地上時代にわからなかった本当の自分を発見できるのです。 「大部分の人にとって死は牢からの解放です。新しく発見した自由の中で、潜在する霊的資質を発揮する手段を見出します。無知の暗闇でなく、知識の陽光の中で生きることが出来るようになるのです」 『シルバーバーチの霊訓(8)』 P.64/L7~L9
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