「霊的世界観」〈3〉
〈霊界の実態〉2
霊界には無数の界層があります。
私たちは死後"霊的親和性の法則"により、自動的に自分の霊的成長度に合った界層へ行くことになります。
視点を変えて、霊界の上下関係(ヒエラルキー)を地上と比べてみます。
ヒエラルキーとは、上から下まで順番になっている集団の仕組みのことをいい、ピラミッドのような上下関係で表すことができます。
(3)大霊(神)の摂理(利他愛)が霊界全体の支配者
地上では権力をもつ者が多くの人間を支配しています。
経済・政治・医療などの分野や、身近なところでは会社、また宗教界においても組織
があるところには必ず権力を持つ支配者が存在します。
しかし霊界には地上のような権力による一方的に支配するような存在はありません。
・霊界には地上的支配者や権力者はいません
・権力による上下関係や支配関係はありません
・霊界では霊的成長による霊的上下関係(ヒエラルキー)が存在します
・霊的成長した者、すなわち利他愛をより多く持つ者が上の立場に立ちます
つまり利他愛による霊的上下関係があるだけです。
地上の上下関係は上の立場の者が下の立場の者を従わせますが、霊界には主従関係は
ありません。
権力によって上の立場の者が下の立場の者を従わせることはありません。
霊界では、自由意志の法則がちゃんと機能しています。
より高く霊的成長した者、より多く利他愛を与えられる者が上の立場になります。
利他愛をより多く持つ者が支配者となれば、そこが愛のあふれた世界であることが想
像できます。
・利他愛は大霊の摂理そのものです
・霊界全体が大霊の摂理(利他愛)によって支配されています
→ 大霊の摂理(利他愛)が霊界全体の支配者ということです
『シルバーバーチの教え(上)』P192/4~6
「こちらの世界には地上で言うような支配者はいません。霊界の支配者とは唯一、自然法
則すなわち『大霊の摂理』だけです」
『シルバーバーチの教え(上)』P186/1~3
「霊界での強者とは、弱者に手を差し伸べる力があるという意味だからです。失業などと
いうものもありません。スラム街もありません。利己主義もありません。宗派もありま
せん。教典もありません。あるのは大霊の摂理だけです」
・霊界は利他愛(大霊の摂理)が支配している世界
地上は利己主義・利己愛が支配している世界
(4)霊界での生活(地上世界との根本的な違い)
・時間や空間の制約がない (移動は瞬間的で交通手段は不要)
朝昼夜の区別はありません。
(ただし、幽界においては存在します。死んで間もない人が夜になると寝るもの朝に
は起きると思い込んでいれば、幽界にいるその人の周囲にだけ朝昼晩の環境ができ
あがります。自分が無意識に作り出します。幽界での生活の中で、そんなものは必
要ないと思い始めたらなくなります。必要と思う人にのみ存在します)
霊界ではどこへでも瞬時に移動できます。
(これも幽界にいる霊が地上の習慣や意識が抜けきらず移動には交通手段が必要だと
思っている人車や電車を作り出し乗っています)
『シルバーバーチの霊訓(4)』 P.149/LB6~LB2
「私たちスピリットの動きに時間、空間による制約はありません。霊界生活に慣れてくると
まったく制約を受けなくなります。この地球のどの地域でも思念の速さで行き着くことが
できます。思念が私たちにとって現実の存在なのです。ただし、霊的発達段階による制約
は受けます。その段階を超えたことはできません。霊的成長によって到達した段階より速
く動くことはできません。それがその霊にとっての限界ということです」
『最後の啓示』 P.183/LB4~LB1
「私たちの世界の太陽は昇ったり沈んだりしませんから、夜と昼の区別はありません。従っ
てそれを規準にした時間はありませんが、物事が発生し進行するに要する時間はありま
す。私も本日この場所へやってまいりました。それには時間がかかりました」
・飲食、睡眠、労働は不要
地上での飲食は肉体を動かすエネルギーを摂取するための行為です。
睡眠は肉体の疲労をリセットするためで、労働は地上生活を円滑に過ごすために必要
な衣食住を手に入れるために(満たすために)必要です。
しかし霊界では肉体を持たないので、維持する必要がありません。
(霊界での労働はありませんが仕事はあります。それは利他愛の実践、奉仕の活動です)
『シルバーバーチの霊訓(10)』 P.102/L1~L3
「肉体のような物質的身体がありませんから眠る必要がありません。睡眠を必要とする身体
を持っていないのです。休息を必要とする時は、元気が回復するまで休止するだけです」
『シルバーバーチの霊訓(8)』 P.77/L5~L7
「食べることも飲むこともいたしません。そうやって養わねばならない物的身体が無いから
です。身体を大きくする必要がありませんから、蛋白質なんかは必要ではありません。霊
的身体がありますが、その養分は置かれた環境から摂取します」
『シルバーバーチの霊訓(10)』 P.68/L6~P.69/L4
「こちらへ来てからも仕事があります。が、それは自分がやりたいと思う仕事であって、
お金を稼ぐためとか家賃を払うためとか衣服や食糧を買うためにするのではありません。
地上で発揮されることのなかった能力や才能や技能をもつ人が次々と霊界へやってまいり
ます。そういう人たちはこちらでそれを存分に発揮して、霊界の住民として全体の豊かさ
の向上に寄与することができます。(中略)それぞれに応じた無限の種類の仕事がありま
す。その上に更に私のように地上世界のための仕事に従事する者もいます」
・コミュニケーションの手段はテレパシー(言語不要)
地上では自分の考え・思いは言語で伝えるしか手段がありません。
外国人とのコミュニケーションを想像してみてください。ドイツ人・中国人・イタリヤ
人・イラン人・タイ人など言語の違う母国語しか話せない人たちの集まりで、それぞれ
の考えや思いを100%伝え合うことは不可能です。
しかし、霊界では地上のさまざまな国籍の霊との共同生活ですが一切困りません。
それは言語が不要だからです。意思の疎通は思い描くだけで相手に伝わります。
『地上人類への最高の福音』 P.27/LB3~P.28/L2
「わたしの世界の言語は思念の言語です。つまり、心と心との直接の交信によって通じ合
い、地上代の習慣から脱け切ると、言葉は使用しなくなります。したがって言語の違いに
よる混乱が生じないわけです。 地上でフランス人だった人がスウェーデン人と、エスキ
モーだった人がイタリア人と、気楽に通じ合います 。地上のように、思ったことをいっ
たん言葉というシンボルに置き換えることなく、そのままで通じ合えるのです」
・嘘や隠し事ができない(心の中が周囲の人にすべて知られる)
本音と建て前は通用しまえん。どんなに笑顔で接しても心に悪感情があればそれが相
手にわかります。取繕ったり誤魔化したり言い訳などは一切できません。
『シルバーバーチの霊訓(10)』P.94/L2~L5
「私たちの世界では何一つ隠すことができません。すべてが知れてしまうからです。だからといって、別に恥ずかしく思うことはありません。地上ではごまかし、ウソをつき、だますことができます。名前を合法的に変えることもできます。が、本性を変えるわけにはまいりません」
『霊性進化の道しるべ』P.117/LB3~LB1
「そこでは地上で通用した仮面や偽装のすべてが剥(は)ぎ取られ、魂の正体が素っ裸にされ、長所と短所とがすべての人に知れてしまうのです。真価が知れてしまい、虚偽が存在せず、不公平が見当らない世界、そういう世界からわたしは来ているのです」
(5)霊界の宗教
地上の人間にとって宗教は重要なこと 日本人は無宗教が多く熱心な宗教者はあまりい
ませんが、世界では約9割の人間が何かを信仰しています。
地上には、代表的なものではキリスト教・イスラム教・ヒンズー教・ユダヤ教・仏教な
どがあり、それぞれに宗派などもあります。また自然信仰(太陽・山など)や人物信仰や
民族だけに伝わる信仰など無数の信仰が存在します。宗教の数だけ神(信仰・教義・儀
式・建物)が存在します。
それぞれが自分の宗教が一番と言い合い、宗教・宗派間で争いや対立が起こりました。ま
た、信仰を政治に利用した戦争も多くあります。宗教は地上を救うのではなく地上に悲劇
を生むことがありました。
・地上のような宗教組織はありません、組織は無いが宗教はあります
・霊界人全員が唯一共通の信仰(宗教)を持っています (※信仰対象は大霊と摂理)
・日常生活そのものが宗教(信仰)
・霊界はたった一つの宗教しかありません
霊界では、信仰対象である神の摂理に沿った生き方・日常生活が宗教そのものです。
『スピリチュアル・メッセージ』P142/2~6
「私たちはいかなる神学、いかなる教義、いかなる信仰告白文にも関心はありません。私たちが関心を持つのは人間の霊性であり、私たちの説くこともすべて、絶対的に従わねばならないところの霊的自然法則に向けられています。人間がこしらえたものを崇めるわけにはいきません。宇宙の大霊によって作られたもののみを実在として信じます。そこに、宗教の捉え方の違いの核心があります」
(6)霊的成長至上主義
・霊界人は全員が、霊的成長を目標にして生活している
霊的成長が一番大事とすべての霊が思っています。誰もが認識しています。
『シルバーバーチの教え(下)』P121/7~9
「人間は霊的に成長することを目的として地上に生まれてくるのです。成長また成長と、どこまでも成長の連続です。それは地上だけでなく、こちらへ来てからも同じです」
『シルバーバーチの霊訓(7)』P.188/L2~L7
「厄介なことに、人間の場合は完全への道が無限に続くのです。完全へ到達することができないのです。知識にも叡知にも理解力にも真理にも、究極というものがないのです。精神と霊とが成長するにつれて能力が増します。いま成就出来ないのも、そのうち成就出来るようになります。はしご段を昇っていき、昨日は手が届かなかった段に上がってみると、その上にもう一つ上の段が見えます。それが無限に続くというのです。それで完全という段階が来ないのです。もしそういうことが有りうるとしたら、進化ということが無意味となります」
霊界人の認識に対し、地上の人間はどうか…。
霊的成長の意味がわかりません。まだまだ多くの人が物質的満足が幸せと思っています。
心の成長すら大事とは思わないのが大半です。
経済成長至上主義・物質中心主義が地上を覆っています。
スピリチュアリズムとは、地上世界において霊界の主義(霊的成長至上主義)をもって生きようと努力することです。
《感想》 (50代 男性)
地上は、例外はありますが一握りの権力者がヒエラルキーの頂点となり、権力で弱者を従わせより多くの物を吸い集めた者が上へと上がっていく世界です。地上では弱者は自由意志を行使しようにもその環境すらなく、地上で生き抜くために権力者に従わざるを得ないのが現状です。一方、霊界はより高く霊的成長した者がヒエラルキーの上になり、上がれば上がるほど下に向かいより多くの利他愛を与えることになります。
霊界とは真逆の現象が地上世界では起っています。大半の人は気付いていても知らぬ顔で、これが普通だと思っているのは恐いことです。地上世界を変えるための一歩を踏み出させる勇気を与えてくれるのは、霊的真理(シルバーバーチの霊訓)だと思います。
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