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「霊的世界観」〈4〉

霊界の実態

(7)人間以外の霊的存在者 ----- 天使・妖精(原始霊)

天使や妖精は人類誕生以前から存在していて、地上環境を整え自然界を維持管理してきました。一度も地上に誕生したことがない(肉体を持ったことがない)自然霊(精霊)の中で、高級なものが「天使」、低級なものが「妖精(原始霊)」 に分けられます。

⦅天使⦆

イスラム教やキリスト教の中でもその存在は説かれてありますが、事実とは異なる人間が想像した天使像でした。堕天使説や、天使に対抗する悪魔説などは人間の作り話です。

1)天使は霊界で誕生し、霊界で永遠の生活を送る(地上とは無縁)


2)天使は生まれながらに高級霊(光輝く存在)、地上の人間にとって神のように映る

未文明の時代に霊視によって見た天使は光輝いていたため、神と勘違いされました。

 

「投書(二)───私たちのように地球という物質界に誕生してくる霊とは別に、まったく物的体験を持たない霊がいるのはなぜでしょうか。 『この宇宙には、物的身体による体験を持たない高級霊の界層が存在します。そういう種類の霊にしかできない宇宙経綸の仕事があるのです。一度も地上の人間のような形態をもったことのない高級霊です。その界層での成長にとって地上的顕現は不必要なのです。居ながらにして高級霊で、宇宙の上層部に所属しています。〝光り輝く存在〟というのがそれです。現実にそういう存在がいます』」

『新たなる啓示』P.124/2~8


では"物的身体による体験を持たない高級霊"にしかできない"宇宙経綸の仕事"とは何でしょうか。

​3)天使の役目 ----- 大霊の摂理の執行者(神の王国の役人)

自然界や地球を含めた宇宙、全世界を支配運行する摂理の管理者です。私たち人間に関して言えば、思いや言動が摂理に適っているか反しているかを判断し成長か償いを決定します。因果律の法則に携わっています。それは霊的・物質的両方にわたって摂理に沿っているかチェックします。摂理とは神の愛です。摂理の執行者の天使は言い換えれば、神の愛の伝達者としての仕事 (宇宙経綸の仕事)をしています。

“妖精”を用いて、神の王国や自然界・生命界維持のための末端の仕事を遂行します


「上層界には高級霊による政庁が組織されており、その中には一度も物質界に誕生したことのない霊(天使)がいます。その霊たちが神の計画推進の任に当たっているのです。大規模な総合計画があって、有意識・無意識の区別なく、あらゆる存在を包摂しております。その宇宙的規模の摂理から外れて存在できるものは一つもありません」

『シルバーバーチの霊訓』(10)P.61/2~6

人間と比較してみましょう。


4)天使と人間の共通点 ----- ともに本質は神の分霊(ミニチュアの神)・大霊(神)の霊的子ども、霊的成長を究極の目標とします

神は天使にとっても人間にとっても霊的親です。

・霊的成長レベルに応じたヒエラルキーが存在します霊界での人間のヒエラルキーは、より高く霊的成長しより多くの利他愛を与えられる者が上の立場にいます。それと同じように、天使も利他愛の大きさによって霊的上下関係ができています。


5)天使と人間の相違点 ----- 天使は霊界で誕生し霊界で永遠生活を送る

・地上での体験を必要としない霊的成長をする

・大霊が与えた役割が人間とは違う

(今の時点では人間には明らかにされていません)

・天使には地上人のような男女の性別はない(人間も霊的成長に伴い男女差がなくなっていく)物質世界は陰陽の法則(二元・両極)によって成り立っています。そのため、男性と女性が存在します。そして、光と陰や愛と憎しみなど両極を体験することで学んでいくように創られた世界です。

「男女といっても、あくまでも男性に対する女性、女性に対する男性のことです。物質の世界では二元の法則が完璧に貫かれていますが、霊の世界では界層が上がるにつれて男女の差は薄れていきます」『シルバーバーチの教え』(上)P.191/2~5


6)天使には人間のような霊体はない霊と霊の心(霊の表現媒体)のみの発光体

本来は人間のような姿形がありませんが、必要に応じて人間の霊体のような姿をとって現れます。宗教画に描かれる人間と同じ姿や背中に羽があるのは、人間が想像した天使です。(天使は天国・空から来るため羽が必要と人間が想像しました)霊能者が人間と同じ姿や羽を見たとしても、天使があえて人間が理解しやすいように人間の思うような霊体を作って現れただけです。


7)地上の宗教(キリスト教)で言われてきたような堕天使がサタン(魔王)になったという話(堕天使悪魔説)はすべて作り話そもそも天使は人間的感情(名声欲、出世欲、嫉妬、自己顕示欲、憎しみなど)を持っていません。霊界にサタンという存在はいませんし、救世主も存在しません。キリスト教の原罪説・贖罪説は2,000年以上教義として人間を縛り続けてきました。キリスト教信者にとって、聖書は間違いのない神のことばと捉えられていますが、聖書の言葉はイエスの死後弟子たちの記憶によって作成されたものです。そして、イエスを神格化するために土地土地に伝わる伝承なども混ざっています。さらに時の支配者によって政治に利用するために、内容に手を加えられてきました。シルバーバーチは、聖書の中のイエスの言葉は、”たぶんこう言った"という程度に思ったほうがいいと言っています。聖書に書かれていることすべてが真実ではないのです。


「組織的反抗といっても、聖書にあるような天界から追放された堕落天使の反乱の話を想像してはなりません。あれは象徴的に述べられたまでです」

『地上人類への最高の福音』P.236/4~6


「人間的な感情をそなえた神は、人間がこしらえた神以外には存在しません。悪魔も、人間がこしらえたもの以外には存在しません」『霊的新時代の到来』P.77/5~6


「『神が善なるものを与え悪魔が邪なるものを与えるという論法ではラチがあきません。ではその悪魔は誰がこしらえたかという、古くからのジレンマにまたぞろ陥ってしまいます』  (───悪魔はキリスト教が生み出したのでしょう?) 『そうです。自分たちからみて悪と思えるものを何とか片付けるためにはそういうものを発明しなければならなかったのです』」『シルバーバーチの霊訓』(5)P154/3~7


「想像の産物に過ぎぬ“悪魔”の問題で心を悩ますことは止めることである。真摯なる者、純心なる者、誠意ある者にとっては神学がまことしやかに説く悪魔も閻魔も存在せぬ」

『霊訓』(上)P.160/LB3~LB1


8)天使が人類救済の使命を担って地上人として受肉・誕生することが稀にある

天使の仕事は摂理の管理・執行のため、天使が直接地上人を救うために働くことはできません。そのため、天使の身分を捨て地上人として物質世界に誕生してくるのです。イエスは高級天使が人間として受肉した中でも際立った例です。これは今まで明かされなかった事実です。イエスは地上人を救うために高級天使という立場を捨て、地上に一人の人間として誕生しました。それは、多くのものを犠牲にし未熟な物質世界で私たちと同じ地上的な苦しみを体験することを選んだのです。この地上世界で実際に摂理に適った生き方を実践することで、人間の目標・手本となるために地上に誕生しました。決して、人間の原罪(禁断の実を食べた結果の罪)を背負い十字架にかけられることで神に許しを請う(贖罪)ために地上へ誕生したのではありません。人間を救うために、神の王国の番人ではなく住人としての道を選んだのです。​そのイエスは、今もスピリチュアリズム運動を主導し、人間に働きかけてくれています。本当の救いは、摂理に適った生き方しかありません。それを身を持って人間に示してくれたのがイエスです。悪魔も魔王も存在しません。救世主も存在しません。​


「ナザレのイエスは、そんな目的のために降誕したのではありません。人間はいかに生きるべきか、いかにすれば内部の神性を顕現させられるかを教えるために地上界へ降りてきたのです」​『シルバーバーチの教え』(上)P.152/3~5


「すぐに手の届くところで、あなた方がスピリチュアリズムと呼んでおられるこの真理――わたしたちにとってはただの自然法則の働きにすぎませんが――その普及の指揮をなさっておられるのです。交霊会をはじめとするさまざまな仕事を指示しておられるのが、ほかならぬイエスその人なのです」『霊性進化の道しるべ』P.66/3~7


「しかし、それにも増してわたしは、その大審議会を主宰される、かつて地上で“ナザレ人イエス”と呼ばれた人物が、わたしたちの業績に逐一通じておられるお言葉を述べられ、新たな力、新たな希望、新たなビジョン、新たな目的をもって邁進するようにと励ましてくださる時のそのお姿、そのお声、その偉大なる愛を、願わくば皆さんにも拝し、聞き、そして感じ取らせてあげられればと思うのですが、それができないのが残念です。もとよりそれはキリスト教によって神の座に祭り上げられているイエスではありません。数知れない霊を通して人類に働きかけておられる一個の偉大なる霊なのです」

『霊性進化の道しるべ』P.244/9~P.245/2


「キリストの場合はかつて一度も物質界に降りたことのない高級神霊が人類の向上と物的体験の獲得のために一時的に肉体に宿ったものです。そうした神霊は高い界層に所属し、人類の啓発のために特殊な任務を帯びて派遣されます」『続霊訓』P.46/LB5~LB3


「イエスの生涯は世間に知られているかぎりでは三年と数か月であった。それまでの三十年間はそのための準備期間であった。その間イエスはずっとその使命達成に意欲と愛を寄せる天使の一団からの指示を受けていた。イエスは常に霊界と連絡を取っていた。その身体が霊の障害とならなかっただけ、それだけ自然に天使の指導を受け入れることが出来たのである。地上の救済のために遣わされる霊はそのほとんどが肉体をまとうことによって霊的視覚が鈍り、それまでの霊界での記憶が遮断されるのが常である。が、イエスは例外であった。その肉体の純粋さ故に霊的感覚を鈍らせることがほとんどなく、同等の霊格の天使たちと連絡を取ることが出来た。天使たちの生活に通じ、地上への降誕以前の彼らの中における地位まで記憶していた。天使としての生活の記憶はいささかも鈍らず、一人の時は、ほとんど常時、肉体を離れて天使と交わっていた。長時間に亙る入神も苦にならなかった。そのことは聖書に幾つか例を見ることが出来よう――荒野の誘惑の話、瞑想の習慣の話、山上における祈り、あるいはゲッセマネの園での苦悶。いずれも誤り伝えられてはいるが」

『霊訓』(下)P.183/LB6~P.184/6


次に、私たちの生活に身近に関わっていて自然界の中で働く妖精についてみていきます。​⦅妖精⦆

​妖精には「原始霊」と「想念霊」の2種類が存在します。神が創造した「原始霊」は(分霊を与えられた存在)神の分霊だから永遠に存在します。天使が創造した「想念霊」は、仕事・役目が終わると消えてしまいます。妖精は身の回りで無数の光の点のような状態で存在します。"妖精を見た"と言えば、精神医学では幻覚や病気の扱いをされてしまいますが、実際に存在します。

1)優れた霊能者によってまれに霊視される (小さな人間に見えたりします)

2)天使の支配のもとで、さまざまな仕事を受け持つ天使の末端には、必ず妖精の一群が存在(下級天使の手足となって地上界で働いています)

    ・妖精は自然界の創造・運行・維持・進化のために働く

    ・農業(農作物)とも深い関係がある人間の利他愛に妖精が喜んで反応するため、農業をする人間の霊性に応じた働きかけがありそれ相応の実をつけます。

3)自然界(地球)の形成要素である空気・土・水・火に相応して、それぞれの仕事を担当する自然現象は摂理の表れです。天使や妖精の働きかけで起こされています。地球の進化に関わる仕事です。自然現象は時に自然災害をもたらします。ここには摂理が複雑に絡んでいます。また、自然災害は人間の財産や生命まで奪うこともあり、ほとんどの人間は悪いこと不幸・悲劇と受け止めていますが、霊的視点でみることで違った捉え方ができます。こういった困難に対しどう対処していくか(魂を鍛える試練)、自分より弱い立場の人や苦しむ人に利他をどれだけ発揮できるか(利他愛を育む)、また個人のカルマ清算ということもあります。そして地球も物質として進化の途中です。完成へむけて進行中です。きまぐれで自然現象は起きません。ましてや、誰かの仕業でもありません。


「生命というのは無限ですから、無限の形態で顕現しております。人間的存在だけではありません。物質に宿ったことのない高等な存在もいます。さらに原始霊といって、人間よりは進化の程度は低いのですが、やはり生命力を持った存在がいます。これも無数の分野───植物・動物・鉱物・花・その他───の自然法則の運用に貢献しております。物的現象の背後をご覧になれば、大自然の摂理が見事に重なり合いながら、完ぺきな調和と協調関係が保たれていることがお分かりになります。  さてご質問の、デーバの勢力が霊媒現象に関与する際にエネルギーを提供しているかということですが、いわゆる物理的心霊現象を起こす時によく働いています。〝物質化〟に協力しているのです」

『シルバーバーチ最後の啓示』P.179/LB3~P.180/7


4)妖精はエネルギーの靄(もや)、無数の光の点のような状態で存在し、時々人間の霊視能力に認知される形態(小さな人間のような姿)をとる人間の先入観に合わせて姿を見せています。


5)天使よりも低い心(知・情・意)を持つ天使や人間よりも低い状態(未熟な状態)ですが、知性・情愛・意志を持っています。(※想念霊は自発的な意志はありません。低次元の目的達成の意志のみ持ちます)※天使と妖精についての詳しい内容は、ニューズレター43~45号、スピリチュアリズムの思想Ⅱの〔6〕霊的世界の存在者たち(4)・(5)を参照​​

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