top of page

霊的成長を決定する、さまざまな摂理


 この地上人生の目的は「霊的成長」です。 人によって地上体験は異なります。それは、一人ひとりのカルマの清算や強化が必要な未熟な部分が異なるからですが、その内容が違っても究極の目的は「霊的成長」なのです。 カルマの清算も未熟な部分の強化もすべて行きつくところは「霊的成長」です。  今回は、その「霊的成長」に関わる摂理から霊的成長とは何かをみていこうと思います。 1.「永遠の霊的進化の法則」 2.「霊優位(霊主肉従)の法則」 3.「利他性(利他愛)の法則」 4.「自由意志の法則」 5.「因果(カルマ)の法則」 6.「自己責任(自業自得)の法則」 7.「償い(苦しみによるカルマ清算)の法則」 8.「自己犠牲の法則(代価の法則)」 9.「苦難の法則(光と陰の対照の法則)」 1.「永遠の霊的進化の法則」  霊の大海から取り出された一滴が分霊として個別性を持つようになりました。  神(大霊)がご自身の一部を与えたことで、個別性と永遠の生命を得ました。  そして、霊的進化の道の第一歩として地上へ誕生してきます。  それが私たち人間です。  神の分霊として個別性を与えられた人間は、永遠の進化の道を歩むことは宿命です。  この進化の歩みは地上人生だけでなく、死後霊界に行っても続きます。  神は人間を、終わりのない進化の過程をたどる存在として創造されたのです。  私たち人間にとって、「永遠の霊的進化の法則」はもっとも重大で根源的な法則です。   しかし、肉体を持ち霊性の鈍くなった私たちには、それが理解できません。 「進化が永遠に続くという、なぜそういうおしまいのない計画を大霊がお立てになったのか、そこのところが分かりません。いろいろと私なりに考え、また助言も得ておりますが、正直いって、これまでに得たかぎりの解答には得心がいかずにおります」       『霊的新時代の到来』P.122  神が創られた摂理に忠実に従えば、人間にとって善い結果がもたらされることだけは間違いありません。摂理に従えば従うほど、いっそう幸福が得られるようになっています。  それは、すべての摂理が神の愛から発しているからです。    摂理に反した結果の霊的成長の停滞は、霊にとっての苦しみであり罰になります。 肉体に閉じ込められて物質世界に浸りきっている地上の人間には、その苦しみがどれほどのものかは理解できません。  霊にとっては”霊的成長”は霊の本能からでる強烈な欲求です。それを阻害されることは最大の苦痛となっているのです。   2.「霊優位(霊主肉従)の法則」  霊的成長をするために不可欠な条件が、霊主肉従の努力です。  肉体本能よりも霊を優位にする自己コントロールの努力という霊主肉従の実践を通して霊的成長を促していきます。  この「霊優位(霊主肉従)の法則」は、霊的成長のための第一の法則であり絶対的条件でもあります。  肉体に閉じ込められ物質を中心に生活を送る私たちは、意識的に心がけなければ霊優位にはなりません。自らが意識的に肉体本能・利己的思いを抑えようとしなければ、霊的なものは隅に追いやられ物質世界でのみ通用する価値観に支配されています。   ※この「霊優位の法則」は、地上の人間にのみ働く法則です。霊界人は肉体を持たず霊だけの存在だからです。 「霊的知識を有する者は、それを正しく運用して、物的要素に偏らないようにならなければなりません。霊的要素の方に比重を置かなければいけないということです。正しい視野に立って考察すれば、焦点を正しく定めれば、日常生活での心の姿勢さえ正しければ、物的要素に対して最少限度の考慮を払い、決して偏ることはないでしょう。そうなれば霊的自我が意のままに働いてあなたを支配し、生活全体を変革せしめるほどの霊力が漲(みなぎ)り、ついには物的要素に絶対に動かされない段階にまで到達することでしょう」 『シルバーバーチの霊訓(1)』P.74 3.「利他性(利他愛)の法則」  霊的成長のためのもう一つ不可欠条件が利他愛の実践です。   また、利他愛は人間だけでなく、宇宙・霊界すべてを支配する法則です。    利他性をどれだけ体得しているか、それが霊的成長度となります。  当然、利他性が多いほど霊性が高いことになります。  利他性は人間の重要な霊的本能です。それは他者に対する利他愛となって発現されます。  その利他愛の実践を通し成長が促されるようになっています。  反対に利己性・利己的行為は霊的成長を停滞させることになります。  そもそも、心が肉主霊従の時にしか利他性を発現できません。  心が霊主肉従の状態であってこそ、純粋な利他愛を持つことができるわけです。  だから、霊主肉従(霊優位の法則)は利他愛を持つための前提条件となるのです。 「最高の徳は愛他的です。愛すべきだから愛する、愛こそ神の摂理を成就することであることを知るが故に愛する、これです。(中略)真の愛は大小優劣の判断を求めません。愛するということ以外に表現の方法がないから愛するまでです。宇宙の大霊は無限なる愛であり、自己のために何も求めません。向上進化の梯子を登って行けば、己のために何も求めず、何も要求せず、何も欲しがらぬ高級霊の世界にたどり着きます。ただ施すのみの世界です。」                      『シルバーバーチの霊訓(1)』P.143 4)「自由意志の法則」  人間は自らの意志によって霊的成長の方向を選択するようになっています。 自らの意志で選択し、自分自身の責任において霊性進化の道を歩むよう神が人間に自由意志を与えました。 誰もが自由意志を持ち、自分の地上人生を選択し歩んでいます。  霊的成長の道(摂理にかなった行為)を選ぶことも、霊的成長に反する道(摂理に反する行為)を選ぶこともできるということです。 「光と闇、善と悪を生む力は同じものなのです。その根源的な力がどちらへ発揮されるかは神の関わる問題ではなく、あなた方の自由意志に関わる問題です。そこに選択の余地があり、そこに発達のチャンスがあるということです。(中略)それには自由意志を行使する余地が与えられています。善か悪か、利己主義か無私か、慈悲か残酷か、その選択はあなたの自由ということです。」 『シルバーバーチの霊訓(1)』P.84 「(質問)人間には自由意志があるのでしょうか。 (答え)あります。自由意志も大霊の摂理の一環です。」 『シルバーバーチの教え(下)』P.125  この「自由意志の法則」は、神の愛から発しています。  人間に自由意志を与え、自発的に自らの責任において霊的成長の道を歩むようにしました。  それは、摂理に従う可能性も摂理に反する可能性も含めた上で、自由意志を与えたということです。  また、人間の自由意志に対し一切干渉しないとしました。守護霊や高級霊ですら自由意志には干渉できないのです。それは完全な独立性の確保です。  人間に自由性と同時に独立性を持たせることで、神は人間を自分と同じ立場(対等な立場)においたのです。  人間に自由意志が与えられている事実は、神が人間との間に真の愛情関係を創りたいと願う期待が込められてたのです。 「すべての人間に自由意志が与えられています。ただしそれは、大霊が定めた摂理の範囲内で行使しなければなりません。摂理は大霊の愛から造られたものであり、子どもたちのすべてを平等に支配しています。それを変えることは誰にもできません。あなた方は、規則の範囲内において自由であるということです。」           『シルバーバーチの教え(下)』P.125/LB2 5)「因果(カルマ)の法則」  神が創造された霊界と宇宙は、すべて原因と結果の因果関係という神の定めた法則が支配しています。それには、例外や特別はありません。  神から与えられた<自由意志>によって、人間は自らが摂理にそった<霊主肉従の努力と利他愛の実践>を選択し霊的成長の道を歩むことも、反対に利己的な生き方を選び霊的成長を放棄することもできます。    自由意志を行使するという原因があれば、必ずその結果が生じます。   よい原因(霊主肉従、利他愛)は、よい結果(霊的成長)を生み、        悪い原因(肉主霊従、利己愛)は、悪い結果(霊的成長のストップと苦しみ)を生みます。    そして、その結果は地上時代に現れるとはかぎりません。  悪い原因から生じる結果をその地上人生で受け取らなかったとしても、死後に地上で認識できなかった多くの事を思い出し、霊界で後悔や自責の念のさいなまれることになります。  そこで、カルマの清算を願い地上世界への再生を望みます。カルマ清算のための人生で降りかかる不幸や苦しみを計画して誕生してくるのです。  ごまかしも見逃しも、厳格な<因果の法則>の前では、絶対にありえないことなのです。    「“自分が蒔いた種は、自分で刈り取る”――あなた方は、この摂理から逃れることはできません。神の摂理をごまかすことはできないのです。」 『シルバーバーチの教え(下)』P.132/L1 「人間の行為の一つ一つについて、その賞と罰とが正確に与えられます。これを別の言い方をすれば、原因があれば必ずそれ相当の結果があるということです。」 『シルバーバーチの霊訓(1)』P.45 「霊界から地上界へ戻ってきた者(交霊会に出席した霊)に尋ねてごらんなさい。誰しもが『摂理は完璧です』と答えるはずです。」 『シルバーバーチの教え(上)』P.100/L8 6)「自己責任(自業自得)の法則」 「因果の法則」に基づく悪い結果は、すべて本人の責任です。 本人自身が負わなければなりません。――これが「自己責任の法則」です。  今直面している苦しみは、これまでの人生で自らがつくった悪い原因が作った結果であり、あらゆる苦しみは“自業自得”ということです。  物質世界だけが人生のすべてと思っている人にとって、いわれのない苦しみ・不幸が一方的に与えられていると錯覚しています。  しかし、すべての結果は前世や霊界を含めてこれまで自分自身が行ってきたことの結果なのです。運不運も不平等や不公平も一切ありません。 「その人は自由意志で、善ではなく悪をなす道を選んだのです。(中略)蒔いた種は自分で刈り取らなければなりません。それが神の摂理なのです。」 『シルバーバーチの教え(下)』P.132/LB1 7)「償い(苦しみによるカルマ清算)の法則」  人間は、かつて自分が犯した「摂理違反(肉主霊従・利己的行為)」を、それに等しい苦しみをもって償うようになっています。 苦しみの体験を通して罪が償われ、霊的成長のための足枷が取れて、霊的成長に向けて再出発できるようになるのです。  人間の再生は、この「償いの法則」に基づいて行われます。 死後、霊界で自分の地上人生を反省し、地上で犯した摂理違反が今の自分の霊性にどのような障害を引き起こしているのかを自覚するようになります。  そして罪を償い清算するような再生人生を願うようになるのです。  その償いのための試練は自ら選択しますが、肉体を持ち霊性の鈍くなった地上の人間はそのことを忘れて一方的に苦しみが与えられていると思っています。    償いのための試練(カルマ清算の苦しみ)を正しく対処することで、霊的成長の道を再び歩み出せるようになるのです。 「悪行が招いた結果から逃れることはできません。間違いは正さなければなりません。告白によって罪を消し去ることができると思うのは、自分に対するごまかしにすぎないのです。」 『シルバーバーチの教え(下)』P.132/LB2 「大きな過ちを犯し、それを神妙に告白することで心の安らぎを得らえるかもしれませんが、“罪を犯した”という事実は変えられません。神の摂理に照らしてその歪みを正すまでは、罪はそのまま残っています。それが大霊の摂理なのです。」 『シルバーバーチの教え(下)』P.134/L3 8)「自己犠牲の法則(代価の法則)」 「自己犠牲」が大きければ大きいほど、結果的に大きな霊的成長がもたらされます。 正しい目的のために自分を犠牲にすれば、より多くの霊的宝を手にすることができます。 全人類の幸福と向上のために自ら犠牲と苦労を買って出れば、それに見合った多くの霊的成長が促されます。 しかし、間違った目的(物欲や私利私欲・この世的な利益追求)のためにどれほど犠牲を払っても、霊的成長はなされません。肝心なのは、どこまでも「摂理にそって犠牲を払う」ということです。  ここでの自己犠牲とは、自分の利益を後回しにして多くの人々の幸せを優先して求める姿勢です。  霊的世界の存在を認めず、死ねばすべてが終わりだと思い込んでいる人にとって自己犠牲は、損失以外の何ものでもありません。 自分を犠牲にして生きることは、多くの人の常識ではありえません。 しかし、霊界にいる霊たちにとって自己犠牲はごく当たり前の生き方なのです。  利他愛と自己犠牲は、地上における最も価値ある生き方であり、最も賢明な生き方・最も得をする生き方です。 自己犠牲は、霊主肉従と利他的実践をより徹底し、霊主肉従と利他性のレベルを高め、霊的成長をより早く促してくれる賢明な生き方なのです。  それは、地上世界にいながら霊界と同じ生き方になるのです。 「我欲を棄て、他人のために自分を犠牲にすればするほど内部の神性がより大きく発揮され、あなたの存在の目的を成就し始めることになります。」 『シルバーバーチの霊訓(1)』 p.145 「何の代価も支払わずして入手できるものは、この地上界には何ひとつ ないということです。」 『シルバーバーチの教え(上)』P.94/LB3~LB2  9)「苦難の法則(光と陰の対照の法則)」  神の摂理にかなった実践(霊主肉従・利他愛の行為)を通して霊的成長しますが、実践にともなう困難・苦難を克服すればするほど、霊的成長が早く促されます。 それが「苦難の法則」です。  地上世界は霊界とは違って、光と陰の対照的要素から成り立っています。 困難・苦難は霊的成長における陰の要素になります。 その陰の体験は、結果的に霊的成長にとってプラスに働き、魂が純化され、鍛えられ、光のありがたさを実感できるようになるのです。  神は地上世界を光と陰の対照的な体験を通じて霊的成長を達成する厳しい訓練場として創造されました。地上人はその体験によって霊的視野を広げ、魂を磨くことができるのです。 「光と陰の対照の法則」は「苦難の法則」を別の角度から言い表したものになります。 「魂の偉大さは、苦難を乗り切る時にこそ発揮されます。失意も落胆も魂の肥やしです。魂がその秘められた力を発揮するには、いかなる肥やしを摂取すればよいかを知る必要があります。それが地上生活の目的なのです。」   『シルバーバーチの霊訓(1)』p.56 「困難にグチをこぼしてはいけません。困難こそ魂の肥やしです。むろん困難の最中にある時はそれをありがたいと思うわけにはいかないでしょう。辛いのですから。しかし、あとでその時を振り返った時、それがあなたの魂の目を開かせるこのうえない肥やしであったことを知って神に感謝するに相違ありません。」         『シルバーバーチの霊訓(1)』 p.57 「暗黒と光、陰と日向といった対照的なものも、実は一個の統一体の反映に過ぎません。陰なくしては光もあり得ず、光なくしては陰もあり得ません。それと同じで、困難は魂が向上するための階段です。困難・障害・ハンディキャップ――こうしたものは魂の試練なのです。それを克服した時、魂はより強くなり、より純粋になり、より深くなり、いっそう進化するようになるのです」        『シルバーバーチの教え(上)』P.100/L9~LB3 「光をありがたいと思うのは、陰と暗闇を体験すればこそです。晴天をありがたいと思うのは嵐を体験すればこそです。物事の成就を誇りに思えるのは困難があればこそです。平和をありがたく思えるのは闘争があればこそです。このように人生は対照の中において悟っていくものです。もしたどる道が単調であれば開発はないでしょう。さまざまな環境の衝突の中にこそ内部の霊性が形成され成熟していくのです。」    『シルバーバーチの霊訓(1)』 p.46 10)全体のまとめ  霊的成長だけでなく、物質、宇宙、霊界すべてにさまざまな摂理が働いています。厳正な摂理が複雑に重なり絡み合って働いているのです。 ​   「法則の裏側にはまた別の次元の法則があるというふうに、幾重にも重なっております。」 『シルバーバーチの霊訓 霊的新時代の到来』 p.143 「摂理の裏側に別の次元の摂理があります。(中略)これらが裏になり表になりながら働いているのです。」          『シルバーバーチの霊訓 霊的新時代の到来』 p.190   スピリチュアリズム普及会HP 3章 3.人間の霊的成長を決定するさまざまな摂理と永遠の霊性進化の道

Kommentare


最新記事
アーカイブ
タグから検索
bottom of page