霊的視野(1)
【霊的視野】
1)スピリチュアリズムの使命(目的)は、地上の人間に霊的視野をもたらすこと
a.霊的視野とは、霊的真理に立った見方・考え方・判断のこと
霊的真理に立った見方・考え方・判断とは、霊界人の物事の捉え方と同じです。
霊界では霊的真理がごく当たり前にすべての人の意識にあります。
しかし、地上のほとんどの人は物質世界しか見ておらず物質的視野のもと物質中心の生活を送っています。
→ 霊的な視点で地上人生を捉えられていない ということです。
霊的視野を持つことで、物質世界にいながら物質的視野の意識を超え、霊界人と同じ視野で物事を捉えることができるようになります。
「物質の中に閉じ込められている皆さんにとって霊的実在を原理とした物の考え方をするのが難しいものである ことは、私もよく知っております。しかし、そういう考え方をお教えするのが、私たちがこうして地上へ戻ってきたそもそもの目的なのです。皆さんが人生を正しい視野、正しい焦点でとらえてくださるように導くことです」 『霊性進化の道しるべ』 p.99
b.霊的視野を持つ霊界人と、霊的視野を持たない地上人
肉体を持ち物質的な視野で物事を捉え地上的な判断をしている地上の人間は霊的意識をほとんど持っていないことの異常さに気付いていません。
「あなたは物事をガラスごしに薄ぼんやりと見つめておられます。真剣ではいらっしゃるかも知れませんが、きわめて小さなレンズで覗いて全体を判断しようとなさっています。あなたにはまだ永遠の尺度で物事を考え判断ることがおできになりません」
『シルバーバーチの霊訓(7)』 p.98
「あなたと私とは同じ人生を二つの異なった角度から眺めていることを忘れてはなりません」
『シルバーバーチの霊訓(7)』 p.90
「うわべだけで物事の価値判断をしてはなりません。私たちと皆さんとの根本的な違いは、皆さんが外面から判断なさるのに対して、私たちは霊の目でもって動機と目的を見抜いてしまう点です」
『霊性進化の道しるべ』 p.98
「こんなことを申し上げるのは、他の多くの人たちと同様に、あなた方もまだまだ、本来の正しい視野をお持ちでないからです。ご自身のことを、一時的に地上的生命をたずさえた霊的存在であるとは得心しておられません」
『霊的新時代の到来』 p.194~195
「物的身体に宿っている皆さんは、今生きている地上生活のことだけを考えます。それに引きかえ地上を去った私たちは、地上生活を無限に続く進化歩みの中のわずかな期間として捉えます。皆さんがとかく物事を見るその焦点を間違えるのは、そのためです」
『シルバーバーチの教え(下)』 p.105
c.霊的視野で見るとは、霊的真理に見方・考え方をそわせること
具体的には、「霊界の人々と同じような霊的視点・永遠的視点から地上世界の出来事や地上の人間を見る」と、いうことです。
「肉体を持ちながらも、霊界の人々と同じような考え方や判断をする」
それを可能にしてくれるのが、霊的視野です。
d.霊的視野を持つことは、最高の悟りを得ること
今までにも霊界からの働きかけ(インスピレーション)によって悟り(霊的真理)を得た人間が、その真理をもとに宗教を起こしたり哲学や思想を発展させてきました。
しかし、その得た知識は一部のわずかな真理であったにもかかわらず、それをもってすべてを知ったかのように錯覚してきました。
今の霊界から下ろされた真理は、比べようのないほどのスケールで質の高い内容です。
以前のような、一部の人間や国や地域を対象にした啓示ではなく、人類すべてが霊的真理を獲得し共有することが目的です。
霊的視野を持つことは、地上にいながら霊界人と同じ視点に立つことですが、それは最高の悟りを得たのと同じです。
最高の悟りだからこそ、そう簡単には自分のものにはできません。
日々絶えず、真理に自分を合わせる努力によってのみ得られるものです。
それは大変な努力が必要で、そして成果が目に見えるものでもありません。
「一時的にインスピレーションがあふれ出たことはありますが、長続きしていません。この度のコミュニケーションは組織的であり、協調的であり、管理・監督が行き届いており、規律があります。一大計画の一部として行われており、その計画の推進は皆さんの想像も及ばないほどの協調体制で行われております。背後の組織は途方もなく巨大であり、細かいところまで見事な配慮がなされております。すべてに計画性があります。そうした計画のもとに(一九世紀半ばに)霊界の扉が開かれたのです。このたび開かれた扉は二度と閉じられることはありません」
『シルバーバーチの霊訓』(7)P.151/LB4~P.152/3
2)霊的成長に不可欠な霊的視野
a.霊的視野は、最高次元の「霊主肉従」
霊的成長のための実践の第一は、霊主肉従の努力(自己コントロール)です。
物質次元のことをコントロールできるようになることです。
・低い次元の霊主肉従 ・・・ 物質欲、肉体本能に歯止めをかける
(質素な生活、節度ある生活)
・高い次元の霊主肉従 ・・・ 物事の見方、考え方、判断をすべて霊的観点からすること
→ 霊的な観点の思考ができるようになる = 霊的視野
b.霊的視野は、「利他愛の実践」と「苦しみへの正しい対処」の強力な武器
霊的視野から人間を見ることができるようになれば、自分の好き嫌いの感情に左右されなくなります。好き嫌いの感情は利己的な感情です。高い次元の霊主肉従を目指すなら、克服する必要があります。
霊的視野は、真の人類愛を持つことを可能にしてくれます。
霊的視野から見れば、すべての人間は神の分霊を与えられた存在で、国籍・民族・男女・貧富・身分の違いがあっても、それぞれの立場・環境で苦しみながら霊的成長する霊的兄弟姉妹です。
意識しないでいると、好き嫌いの感情を優先してしまいます。
霊的視野を持つことで、利己的な感情で人に接してはいけないことを実感し、自分の心を戒めることができるようになります。
また、「苦しみの意義」を理解でき、地上での苦しみの体験を一時の小さな体験と意識し、自分にとってありがたいものと捉えられるようになります。
c.霊的視野によって心が広くなり、霊的楽天主義が身につく
霊界人と同じような目線で地上世界を眺め下ろすことができるようになると、地上の出来事を目の前のことだけに捉われず、物質的価値観や地上的なこだわりのない大きな心で受止められます。
それは、地上世界にいながらにして地上世界を超えるという、かつてなかった最高の悟り(画期的な悟り)霊的視野という広い意識を持つことは、地上世界の出来事に振り回されることはなくなり、地上的な悩みを持たなくなり、霊的真理(摂理)、霊界の導き、に絶対的信頼を寄せることができ、深い安心と安らぎを手に入れ究極の霊的楽天主義がに身につくことになります。
「いかなる問題においても、私たちは決して地上的観点から物ごとを見ないということ、地上的尺度で判断しないということ、人間的な憎しみや激情には絶対に巻き込まれないということ、往々にして人間の判断力を曇らせている近視眼的無分別に振り回されることはないということを忘れないでください」
『シルバーバーチの霊訓(7)』p.59
d.霊的視野によって得られる「真のスピリチュアル能力」
霊的真理に基づく霊的視野を持つことにより「スピリチュアリル能力」を身につけることができます。
スピリチュアリル能力とは、霊界の援助、応援、協力を引き出すことができる能力のことです。
霊界の高級霊の思いに寄り添い、地上世界を救いたい、地上から悲劇に喘ぐ人をなくしたいという霊的視野を持ち、利他愛の実践を心がける人には、必ず何百、何千という霊たちの援助を得られるようになります。
3)霊的視野の習慣化・定着化のための努力
a.霊界の目的は、地上に霊的真理をもたらし救うこと
すべての人間が霊的真理に沿った生き方ができる世界にすることが目的です。
b.手にした霊的真理をどうするかは、地上の人間に任されている
人よりも先駆けて霊的真理を知ったスピリチュアリストは、霊的真理に基づいた「霊的視野」を身に付けることが義務です。
知識を得たからといって、それだけで霊的成長はできません。
・霊的視野は霊的成長の目安の一つ
・日常生活でどれだけ維持できるかは、その人間の霊性の指標になる
霊的視野を自分のものにしようとするなら、絶え間ない地道な内面の意識的な努力が必須です。
→ 常に真理に触れ自己反省をし、物質的意識を霊的意識に切り替える努力を続けることです。
c.頭でわかっていても実感がともなわない場合は“神に助力を求める”
思うように真理を読めない、本を開いても頭に入ってこない、集中できない、生活に流され意識できないといった時は、素直に神に祈ればいいのです。
守護霊や背後の霊は、霊的成長を待ち望んでいます。
私たちが成長したいと願うことを喜んでくれ、全力で手助けしようとしてくれます。
ただし、自分が精一杯努力し葛藤をしてこそ祈りが届きます。
安易に神頼みをしても祈りは届きません。
<感想>
「うわべだけで物事の価値判断をしてはなりません。私たちと皆さんとの根本的な違いは、皆さんが外面から判断なさるのに対して、私たちは霊の目でもって動機と目的を見抜いてしまう点です。」の部分が響きました。
私達は人のネガティブな部分を引きずりがちで良い所を見るのが苦手です。損得勘定もついつい考えがちです。それゆえに霊の心で人を見るようにし、不快な行動を取られる方に対しては、なぜそのような行動を取られるかじっくり考え、その方を受け入れる姿勢を大切にしていきます。
次にいかなる問題においても人間的な憎しみや激情には絶対に巻き込まれない事の部分が印象に残りました。私達は理不尽な事があると憎しみを抱きがちです。憎しみを持つことは肉主霊従の状態です。霊主肉従の状態でいて霊的成長できます。その事を意識して憎しみを減らし、霊的成長していきます。
そして頭でわかっていても実感がともなわない場合は神に助力を求めるの部分が印象的でした。霊主肉従は簡単ではなく実感が伴わない事は多く、シルバーバーチの教えを忘れる時間は多くあります。そこでお祈りをする習慣をつけようと思います。
(30代男性)
今回は霊的視野について学びました。今回の学習の中で霊主肉従を低い次元と高い次元に分けて考えることを知りました。地上で生きながら霊界人のように、霊的心理に立った考え方と判断をすることは難しいですが、低い次元の物質的な行動・行為「質素な生活、節度ある生活」については、以前と比べて(シルバーバーチを知る前)、自己採点で甘いですが、かなり出来ていると思います。一方、高い次元の霊主肉從の「物の見方、考え方、判断をすべて霊的観点からすること」については、その時々で出来てないことが多々あります。 地上で肉体を持って生活し、肉の誘惑が付きまとう社会においては、常に心身を清く保つのはとても難しいことだと思います。その上ですべてを霊的視野で見ることがスピリチュアリストの目指す所だと思いました。 心が揺らいで精神が安定しない時は、神と守護霊に救いを求めて、霊的視野で物事を捉えられる場面を少しずつ増やせられるように努力したいと思いました。
(50代男性)
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